ホーム サイトマップ
ホーム 財団案内 財団ニュース 助成案内 よくあるご質問 お問合せ
 
助成案内
助成事業について
助成実績
助成募集要項
奨学生エッセイ
2015年度
2014年度
2013年度
2012年度
2011年度
2010年度
2009年度
2008年度
2007年度
2006年度
 
 
奨学生エッセイ
 
 
 
「日本で学んだボランティアのノウハウ」 コン サンロート
カンボジア出身。2001年来日。新宿日本語学校、神田外語大学を経て筑波大学大学院修士課程
地域研究科地域研究専攻東南アジア・南アジア研究コース修士課程1年在学中。
研究テーマはカンボジアにおける仏教の役割に関する文化人類学的研究。趣味はギターと旅行。
 
 

私は来日当時からインドシナ三国(カンボジア、ベトナム、ラオス)に活動の拠点を置く「インドシナ難民の明日を考える会<CICR>」に参加しています。この会は、当初難民として来日したインドシナの人々を支援するために設立されましたが、日本での難民の生活が安定するにつれ、活動の拠点が次第に日本国内から難民の本国へと転換していきました。

当会は、現在、年に1・2回、現地を訪れて、日本で集めた古着、文房具、靴などを貧困に直面している人々や地方の小学校に配っています。また、カンボジアの地方の壊れかけた小学校を修復したり、老人ホームを建設し、その運営にも当たっています。

カンボジアは長い混乱の結果、国の経済と社会基盤が大きく歪みました。現在、日本など多くの外国からの支援を受けていますが、まだ貧困の状況から克服することができません。そのため、国の教育の再建も立ち遅れています。教育について言えば、都会では比較的改善されてきましたが、地方は依然ひどい状況に置かれています。貧しい農村では校舎がぼろぼろになっていても修復のめどが立たないのです。また、教師の不足の問題もなかなか改善できていません。それらの状況は地方の子ども達の教育には深刻な問題となっています。こうした状況に置かれている人々は教育に期待をかけられなくなります。独立国家である以上、自らの力で改善していくのが望ましいことは言うまでもありませんが、そこに至る過程においては、外部からの支援が不可欠であるというのも事実だと思います。

今夏、私はCICRが5年前に修復した小学校を訪れました。そこで校長や村人と話をしました。皆、口をそろえて、日本のNGOが修復してくれたお陰で子供たちが安心して勉強することができるようになったと言います。また、外国からの支援が入って学校が活性化したことによって教育に対する考えが変化し、村人は以前よりも我が子を学校へ行かせる努力をするようになったとも聞きました。

このように私は、私たちのちょっとした努力が一つの村の人々にこれほど影響を及ぼすのかと驚くとともに、人のためになるということの喜びを知りました。

日本には「情けは人のためならず」ということわざがあります。「人に親切にするのは他人のためではない。結局は自分に良いことがある」という意味だと聞きました。確かに、私は日本でボランティア活動に参加することで自分のためになることがたくさんありました。より多くの日本人と交流ができました。その結果、日本語をはじめ、日本人の考え方、行動、習慣など学校では学べない生きた日本の文化を勉強できました。また、日本人とカンボジア人の両者の間に入って仕事をすることで双方の共通点と相違点を理解できるようになりました。それによって自分はどうあるべきか、どうすべきかを考えるようになりました。さらには、自分の活動が人々に感謝された時はとてもうれしいです。その感謝の気持ちは自分が日々、頑張る原動力にもなります。ボランティア活動が相手のためだけではなく自分のためにもなることを本当に知りました。

日本は社会基盤がしっかりしています。すばらしい福祉制度も整っています。また日本人にはボランティア精神も根付いると私は思います。忙しい日常生活を送っているにもかかわらず多くの日本人は心のゆとりをもって困っている人に手を差し伸べようとしています。この日本の相互扶助の精神には頭が下がります。日本人のボランティア活動は国内だけに留まらず世界中に広がり、多くの国々の生活を支えています。CICRのような小規模の草の根NGOでも確実にカンボジアの再建に貢献していると感じます。

私は日本で留学することができて、とても幸せでした。学校の勉強だけでなく、母国では勉強できないボランティアのノウハウも学ぶことができました。これらの知識を将来母国の再建に役立たせたいと考えています。そして、日本とカンボジアの架け橋にもなれるようできる限りの努力を惜しまないつもりでいます。

 
前のエッセイ | 次のエッセイ
 
ページのトップへ
   
ご利用条件 個人情報保護について Copyright (c) 2003- Sojitz Foundation. All rights reserved.