ホーム サイトマップ
ホーム 財団案内 財団ニュース 助成案内 よくあるご質問 お問合せ
助成案内
助成事業について
助成実績
助成募集要項
奨学生エッセイ
2013年度
2015年度
2014年度
2013年度
2012年度
2011年度
2010年度
2009年度
2008年度
2007年度
2006年度
 
奨学生エッセイ
 
 
 
私の勉強会の出来事
カンボジア出身。1999年来日。福井県立大学を経て名古屋大学国際開発研究科修士課程、 現在、同大学博士課程3年在学中。研究テーマはカンボジアにおける海外直接投資導入政策。
趣味は旅行、テレビ、映画(政治サスペンス)。特技は卓球。
 
 

2年ぐらい前から名古屋に在籍するカンボジアの留学生がカンボジアの勉強会を設立することをしました。今回、ちょっとその勉強会の紹介と勉強会から私が経験したことをお話します。勉強会のメンバーはカンボジアの留学生のみと決められ、週に一回順番で発表されます。そして、いったん入会すればコミットメントを持って学習しなければならないと内規があります。設立当初の目的は日本で様々な分野を勉強しているカンボジアの留学生が客観的にカンボジア社会に混在する諸問題点、発展可能性を自分なりに指摘しながら議論を行います。それは自国をより把握するという意味で効果的だと考え、そして自分たちがいずれ卒業し、帰国する際に役立つじゃないかとなんとなく思ったからです。

設立中心のメンバーの一人は口癖でよく以下の言葉を言います。食事会やキャンパス内で会って話しても突っ込んだ話ができない。顔だけ知っていてもその人の考え方がわからない。その人を知っていると言っても、それはその人の顔や表の姿に過ぎない。議論の場さえを整えれば、みんなが議論できてその人の考え方や価値観なども知ることができるはずです。その人の考え方、価値観、人生などに大切している事を理解できて初めてその人と心から付き合いことができると思います。そして、その付き合いこそが将来に生きてくるのです。

期待感を持って勉強会をスタートしました。しかし、回数を重ねて行くうちに問題点も出てきます。その問題点、そして私なりの解決方法を紹介します。順番で発表される勉強会は私にも何回か自分の研究分野である開発経済やガバナンス問題を発表する機会が回ってきました。ほとんどの場合に結論の出ない議論で、時には議論が過熱しすぎて勉強会が終わっても心のしこりが残ります。議論が白熱することはみんなが真剣に議論しているという証拠ですが、議論が過熱しすぎると自分の主張ばかりしていて相手の話を聞かなくなる事もしばしばあります。まして自分の主張の欠点を指摘されると、一生懸命防衛(ディフェンス)します。互いの結びを強くしないといけない勉強会なのに、結局しこりのある勉強会になってしまいます。問題が感じた時には私は自分なりに様々な解決方法が探し始めました。その過程であることに気づきました。それは自分のちょっとした考え方の転換(Paradigm Shift)でした。心のしこりがあったら、自分から積極的に振り払う努力しなければならないという事でした。まず、その人と意見が対立しているということはその人という人間と対立しているわけではない。反対意見を知ったことで自分の意見や考え方がまだ不十分、説得力が足りないと自覚しなければなりません。つまり、それだけ自分の考え方をよりよくしていく余地があるのです。従って、相手方の異見に感謝して勉強会が終わっても笑顔で接することができるようになりました。自分がそういう態度で接すことによって、相手も心よく接してくれるのです。おかげでみんなが学生生活をより楽しく過ごせた気がします。

以上、私が言いたいのは反対意見は正しい方向に処理しないと今まで築いてきた人間関係を崩壊さえさせる可能性があります。しかし、相手の異見をうまく利用すれば自分のこれからの成長にも多いに貢献するはずです。私はその勉強会を通じて自分の学問のみならず、人間関係、自分の価値観、ミッションなどを考える機会ができました。そして自分の短所や長所を少しずつ理解でき、これからも自分を磨いてより良い人間になっていきたいと思います。


 
前のエッセイ | 次のエッセイ
 
ページのトップへ
   
ご利用条件 個人情報保護について Copyright (c) 2003- Sojitz Foundation. All rights reserved.