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奨学生エッセイ
 
 
 
日本で自分の未来を探せ
中国出身。2004年来日。
名古屋大学農学部応用生物科学学科4年在学中。
研究テーマはモデル植物シロイヌナズナの糖応答に発現するSCL15遺伝子の機能解析。
趣味はインターネット、バスケットボール、読書。
 
 

4年前、私は祖国から海を渡って日本に来た。幼いころからの趣味で、私は生物科学を専攻として選んだ。大学受験の時、私は面接してくれた教授たちに「なぜ日本に来たか」と聞かれると、「科学技術が進んでいるから」と暗唱文みたいに答えた。現在、真剣に考えてみたら、そうではなかったかもしれない。

自分と日本との間に、「縁」があると思う。小学校の時に同じクラスの3人の日本人と知り合って、さらに中学校の時“抽選”で日本語クラスに入って、そのまま6年間日本語と日本文化について勉強した。まるでドラマの中の話みたい。ついに日本に留学することになり、名大に入学した。大学での4年間を通して、私はその迷いと苦しみを乗り越えて、自分がやるべきことについて、分かるようになったと思う。

日本と中国は長い歴史の中で、互いに影響しながら、成長して来た。特に産業革命からの近代技術や行政体制など、ヨーロッパから直接中国に入るのではなく、日本を通して中国まで伝達されたものが多かった。その「架け橋」になったのは、我々の大先輩であるあの時の留学生たちであった。現在においての私も「架け橋」の責任を持っている。自分の話と動きから、周りにいる日本の皆さんに「中国人」のイメージを与えている。もちろん、私一人では中国を代表することはできない。だが、その一分子として「プラス」な作用を果たしたいと思う。また、祖国にいる人々がもっと日本のことを理解できれば、両国国民が本格的に、永遠に、友好関係を築けると思う。私自身が日本にいる時の体験と感想は非常に貴重な経験であり、自分で感じた日本文化の魅力を、ぜひ祖国の人々に伝えたい。そうすれば、互いの違いを比較して、理解を深めて、相手の長所を学べるだろう。

現在社会は石油の高騰、食品の値上がり、環境問題など色々な課題に囲まれている。今年オリンピックを主催する中国は大きなチャレンジに直面している。経済増長とその持続的発展の間でどうバランスを取れるのか。これは学者たちを悩ませている。すべての技術開発は人間の生活をもっと良くするためである。しかし地球上の限られた空間で人間は他の生物と共存しなければならない。日本はそのバランスがよく取れている国だと思う。日本文化の一部は「和」と言う漢字に含まれている。「和」は平和、均衡、争わないの意味を持っている。日本人は周りにいる人の気持ちをすごく大事にしている。このようなやさしい心をもって、人間に対するだけではなく、環境に対しても共栄できるように努力を尽くしている。生命のメカニズムを探求している私にはこの「和の心」が有るはずだ。もっと広い視野で学術の修行を続ければ、自分の心も豊かになれる。

「何のために日本に来たか」、この質問に対して私は今でも答えない。しかし、私は日本に来て、学問だけではなく、色々なことを学んだ。自分が何のために今の人生を選んだかについてもだんだん分かるようになった。「日本に来て本当に良かった」と心から思っている。これから、研究を通じて、日本で得た全ての知恵を応用して、自分とこの世界の未来を一歩ずつ変えてみたい。この後で自分の歩み先を探すことは私が日本に来た理由になるかもしれない。

 
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