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奨学生エッセイ
 
 
 
留学の目的と将来の計画、人生において最も感動したこと、影響を受けたこと
ネパール出身。2006年4月来日。
北海道大学大学院工学研究科環境循環システム専攻博士課程3年在学中。
趣味は、絵を描くこと。日本に来てからも続けられているので幸せに思っています。
将来の夢は、母国の政府で環境スペシャリストになること。
研究テーマ:Si-カテコール錯体を用いたキャリアマイクロエンカプセレーションによる黄鉄鉱の浮選と酸化の抑制
 
 

研究を通して、人は社会、国、世界にとって、有益な人財となるというのが私の信念です。この信念が私を遠い母国から日本へと導きました。私は、日本留学で多くを学び、将来的に母国へ貢献したいと考えています。

母国では、環境問題に対する意識は低く、それに対する施策もまだ徹底されておらず、廃棄物処分や工場廃液についての厳しい規制がないため、その不適切処分により水質汚濁やそれによる健康問題が引き起こされています。これら問題解決に貢献するため、適正な廃棄物管理とリサイクル工学について研究したいと考えます。また現在、人々の生活を豊かにした経済成長は、廃棄物量の膨大化と多様化をもたらし、廃棄物に関する様々な問題を引き起こそうとしています。従って、ネパールとインドでは廃棄物管理は第一の関心事となり、これら諸問題に対処するための適正な廃棄物管理システムは政府にとって最重要課題となっています。

修士課程では、天然鉱物によって引き起こされる環境汚染を防止するための浄化プロセスを研究し、今後博士課程では、廃家電と廃電池等の物理的手段によるリサイクルを研究し、経済基盤の弱い国々でも可能な簡易で低コストリサイクル手段の実現を目指します。博士課程修了後は、環境庁に従事することを希望し、研究で培った知識と経験を活かし、母国民に、廃棄物が長期的に自然へ及ぼす影響について啓蒙し、環境に対する意識を高めたいと考えます。

これまでのどんな瞬間も、出会った人々も、どんなできごとも大切で、そこから多くを学びましたが、敢えて最も影響を与えたものをあげるなら母の願いです。小さな村で生まれ育ち、教育が十分でない母は、娘に十分な教育を与えたいと願ったのです。

私は現在ネパールに国籍を持ちますが、生まれはインドのダーバンガという片田舎です。そこでは読み書きのできる女性の割合はわずか30%で、母が子供時代を過ごした40年前の教育システム設立以前がどんなかは想像に足るところです。彼女の教育への切なる願いを子供の頃から共有し、母に私が勉学に励むと約束したことが私の人生における重要なできごとです。

母は私の教育に対して最善を尽くし、学校修了毎に喜びを分かち、私より喜ぶ程でした。こうした彼女の祈りと願いに励まされ、私は親戚の中で初めて、男性優位の社会で学士になりました。成功ばかりではなく、悲観的状況もありましたが、ポジティブに考え動力源にしてきました。

私の夢は母とは違いますが、この夢の実現は社会貢献となり母を喜ばせる最大の功績となるでしょう。私は政府の環境スペシャリストとなり、廃棄物はリサイクルすれば有価物となり、無秩序に廃棄すれば有害になるという意識を浸透させたいと考えています。国内規制外有害廃棄物の人々への警鐘、社会の廃棄物処理フロー管理、リサイクリングへの注目、次世代のための環境維持が私の夢です。

 
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