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奨学生エッセイ
 
 
 
茶道のお稽古
中国出身。2003年11月来日。
大阪大学外国語学部国際文化学科4年在学中。
趣味は、読書、映画鑑賞。
将来の夢は、日本語教師になること。
 
 

茶道のお稽古を始めて、もう2年が経ちました。大学を卒業したら、お稽古をやめなければならないですので、お稽古をした形跡を残したいと思って、今回のチャンスで、このエッセイを書きました。

茶道を始めたきっかけは、大学の授業で華道について発表することでした。大学2年生の頃、私は日本語の授業で華道について発表することになりましたが、華道についての知識がまったくないため、インターネットに登録されている華道の説明をそのまま引用して発表しました。その結果、発表がさんざんになってしまいました。自分が悔しくて、教授にもう一回発表させてくれるように求めました。しかし、教授は華道の知識がない限り、発表がうまく行けるはずがないから、もう一回発表するより、実際に華道のお稽古を一回でも体験したほうがいいと言われました。そして、教授のご紹介で、私は華道を体験することができました。

私はとても日本の文化が好きですので、華道を一回体験した後、なかなか忘れることができませんでした。将来日本語教師になろうと思っている自分にとって、伝統的な日本文化に触れることも必要ではないかと初めて考えました。よく考えた結果、私は華道のお稽古を始めようと決心しました。しかし、お稽古を担当している先生は、華道のお稽古は事前に花を注文しないといけないので、用事があっても、急にお稽古をキャンセルすることができない。そのため、学生にとって、華道より、茶道のほうがいいと勧められました。そして、私は先生のご意見を受け取って、華道をあきらめて、茶道のお稽古を始めました。

お稽古は月に3回、毎回土曜日に行われ、1回で2000円の料金です。私にとって、大学の勉強が忙しくて、アルバイトをする時間がないですので、お稽古を始める前に、いつも土日を利用して、アルバイトをしました。しかし、お稽古を始めた後、土曜日にお稽古をしなければならないですので、午前中はアルバイトができなくなりました。しかも、家から茶道教室まで1時間かかりますので、私にとって、お稽古をするのは、時間的にも経済的にも負担になりました。それでも、私は後悔したことが一度もありませんでした。なぜかというと、茶道のお稽古をするのは、将来自分が望んでいる日本語教師になるには必ず役立つと信じているからです。確かに、とても疲れている時に、お稽古に行くのはつらくて、今日だけ休んでもかまわないでしょうと思ったことがあります。しかし、頑張ってお稽古に行ったら、いつもお稽古をしながら、今日は来てよかったと感心します。私の性格は焦るタイプですが、お稽古が始まった後、特にお稽古の最中に、とても落ち着く気持ちになって、疲れている心身も癒されると感じました。実は日本に来られた後、私はテレビで日本人の女性が着物を着て、お稽古している優雅な姿を何度も見たことがあって、その時から、自分がその優雅な姿に憧れ始めました。それも、先生に茶道を勧められて、私は迷わず受け取った理由の一つだと思います。

将来、日本語教師になる私は、中国に帰った後でも茶道のお稽古を続けたいと思って、中国の大学を調べました。調べた結果、現在、中国のある地域の大学に、日本の茶道がすでに進出していることが分かりました。このことによって、将来、自分の生徒に日本語を教えながら、日本の文化まで触れて、生徒に日本に対して興味を持たせるようにするのはもっと現実的になってきたのではないかと思います。


 
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