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日本での留学の感想
中国出身/2010年4月来日
北海道大学大学院 環境科学院環境起学専攻 博士後期課程 2年在学中
趣味:映画、旅行、スポーツ、料理 将来の夢:科学者と教育者になること
研究テーマ:長寿遺伝子およびDNAメチレーション遺伝子を用いた内分泌撹乱化学物質を含む環境汚染化学物質の細胞を用いたエピジェネチックな影響評価系の開発
 
 

私が小さい子供の時分、マリー・キューリー夫人の名前を初めて耳にしました。彼女は女性として初めてノーベル物理学賞とノーベル化学賞を獲得した優れた科学者でした。そのことにより、私は女性が科学の進歩のために大きな貢献をすることが可能であるとわかりました。そして、それは私が未知の世界に踏み入れる際の大きな力となっています。また、自然界の摂理について深く考えたり、今後私が何を為すべきかを考える上で、常にキューリー夫人ならどうするだろうと考える癖が付きました。

七年前に、私は中国の新郷医科大学において臨床医学を修め、その績が認められて医科大学講師として働く機会を得ました。そして、その講師での業績が認められて、東京で一年間日本高研(株)生命科学研究所の研究員として再生医学及び漢方薬の共同開発に関する研究に従事する貴重な経験を得ました。その際に初めて日本人の普段の生活を見聞きしました。週末と研究の合間の余暇は、私の周りの環境をよく知る機会となってくれました。その後、より多くの日本人の方と出会い、彼らの素晴らしい人柄に心が打たれることがしばしばありました。まとめてみれば以下の通りになります。

  1. 計画性が高い。私が所属している研究所は新製品のデザインや開発を主な業務としており、我々が取り込んでいる生物製品や薬物の開発はかなり時間を要し、数ヶ月から20年間までかかる場合がある。しかし、プロジェクトごとに研究員たちは綿密なスケジュールを制定し、多くの人は日程を何時何分まで精確にしており、一人ひとりの手帳にいろんなマークが書きこまれている。私はこの段取りの良さに大変驚いた。
  2. 効率が高い。スピード感のある環境の中でも多くの場合は、プロジェクトを計画通りに完成することができる。
  3. チームワークの良さ。チームで動いている時、一人ひとりの役割を明確にしており、周りに気を配りながら回っている。チームメンバーがミスをした場合、他のメンバーが直ちに手助けをする。
  4. 人間関係の在り方。お互いのことに程良く気を使いながらも妨げることをしないようにしている。私の席におみ やげがそっと置かれていることがしばしばあった。
  5. 時間厳守。約束の時間と場所は必ず守っている。早すぎて来ることや遅刻することはめったになかった。
  6. 自律性が高い。みんなが他人に迷惑をかけないようにし、約束もきちんと守っている。
  7. 伝統的な文化。よく伝承されている。例えば茶道、書道、相撲やその他伝統行事に多くの人々が関心をもって参加 している。
  8. 生活を楽しむ。お花見、焼肉、温泉や旅行など様々なイベントで生きる喜びを享受している。

二年前に、私は北海道大学の特別指導委託学生を経て、さらなるキャリアアップのために博士課程に入る機会を得ました。それは、私にとって新しい分野である、環境化学汚染物質の影響評価法を構築するというものですが、この経験を積むことにより、より深く人間の健康を守る予防医学的な新しい考え方を学ぶことができると期待しています。

海外留学の経験は、私の世界観を広げています。留学して、帰国した後、文化的な違いを知ることにより、私たちの文化あるいは他の文化がどこから来ているかを理解することができます。私は帰国後も大学教員として研究に従事する予定です。その際に日本での研究経験を基に中国科学会の発展に寄与したいと考えています。中国と日本の大学間において単位の互換性や学生、教員の交換留学などを積極的に行い、東アジアの文化研究拠点を構築していけるようになればいいと考えています。

 
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