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奨学生エッセイ
 
 
 
日本での生活を通じて感じたこと(国際交流)
モンゴル出身/2006年4月来日
一橋大学大学院 経済学研究科 修士課程 1年在学中
趣味:水泳、バスケットボール、チェス
将来の夢:プロフェッショナルファイナンサーになること
研究テーマ:モンゴルにおける金融仲介システムの導入方法
 
 

日本は私にとって初めての外国です。来日する前に外国人と知り合ったことはなかったのです。母国にいたとき、世界史の授業やインターネット、テレビを通じて得た外国や外国人についての情報に基づいて、ある程度外国について知っていると思っていたのです。だが、日本に留学した時からその“知っている”という思いは“知らない”という思いにだんだんと変わって来ました。

2006年4月に渡日した日、空港から留学生交流会館へ移動する途中で「今からどんな人々と会うだろう」、「私の英語は通じるだろうか」とすごく心配していたのを覚えています。留学生会館に着くと、何人かのモンゴルの先輩たちが、新人の私たちを迎えてくれたことに驚きました。先輩たちの連れてきた友達の中には、日本人学生や留学生もいました。その時初めて、外国の留学生や日本人の学生達と顔と顔を合わせて話していたことがとても印象に残っています。日本は私にとって初めての外国であり、外国人と外国語を通してお互いに分かり合うという、今はごく普通に思うことに、当時はすごく感動していました。

大学に進む前の日本語学校には毎年、20カ国以上の国々から集まって日本語や日本文化を学んでいます。マルチカルチャーの授業や留学生会館での生活を通してお互いの国の文化、歴史、言語、現在の状況や人々の考え方を知ることが出来ました。日本人の友達は、私の母国モンゴルについてある程度は知っていて、モンゴルの相撲や遊牧生活について話すことがよくありました。一方で、モンゴルの経済や都会生活についての情報があんまり少ないということに気づきました。時には、「モンゴルには街はあるのですか、レストランもあるのですか」と聞く人もいるので驚きました。遊牧生活についての情報はテレビ番組や旅行ガイドで知ることはできるが、実際の生活や文化については交流しなければ分からないと思いました。

そのような体験の中で、私の留学する前の外国や外国人に対する思いは変わりました。私達が得る情報は一面的なことが多く、情報が隠されている、あるいは、膨らまされているので、対象国や民族の文化を知るにはその文化に生まれ育った人と友達になることが大事だと思いました。日本についても、留学生達と交わした意見、日本人の学生や先生に聞いた事でより良く知りました。そのようなことは他の外国に対しても同じです。学生達は学校の休み期間中は、お互いの国を旅行し、家に泊まって交流することはしばしばあるのです。大学や国際交流会館(留学生寮)が行う数々のイベント、文化講座や旅行などは世界中の人々とコミュニケーションを取るための大きなチャンスでした。大学時代の日本人の友達を留学生の友達に紹介し、仲良くなることもよくありました。このような交流によって、私たち留学生は日本人の友達たちと理解し合い、今では、国際交流は後輩たちに受け継げられていることを嬉しく思います。

このような意味では、日本は私の目を覚ましてくれた国です。日本に留学する間、多くの日本人や留学生の友達が出来たことで、世界を見る自分の視界が広がったと思います。世界史で習っていた一面的な情報だけで相手や相手国の文化を見ないように心がけるようになりました。そして、何よりも、相手国の事情をより良く知ろうとする気持ちが国際交流にとってとても大事だと思いました。世界は今後、さらにグローバル化を加速させていくと思いますが、私は本当の意味で人と人が繋がるような国際交流を心がけたいと思います。

 
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