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もっているモノ、もっていないモノ
韓国出身/2006年4月来日
慶應義塾大学大学院 法学研究科 修士課程 1年在学中
趣味:絵を描くこと、情報誌購読
将来の夢:実現するまで公表を希望しません
 
 

ここ最近、もっているモノともっていないモノについて考えています。自分は現在、何をもっていて、何をもっていないか、この類の質問を自分にぶつけています。挫折に陥ったとき、どうやって我を保てばいいのか、ずっと悩んだすえ、自分がもっているモノともっていないモノをまとめてみることにしました。当初からそんなに多くないだろうと予測して始めたもので、実際最初の何日間は色々思い出すことが難しかったです。普段思いながらも、聞かれたら答えが出ないときってよくありますよね。質問する相手が自分自身の場合、なおさら思い出すことが困難になることもありますよね。

自らが自分自身に質問をしたとき、なかなか素直になれず、現実から目を背けたり、都合よく状況を解釈して自分の中の不協和音解消を試みたり、このようなことをしたことありませんか。皆さんはどうか分かりませんが、私はよくあります。そして、それを認めるまで、かなり時間と精神的ショックが伴い、大変でした。私は昔から状況を都合よく解釈して自分の中に不満が高くならないように、現実を多少弄って考えて自分の気楽さが保てるようにしてきました。ある意味、自分が自分をごまかすことですよね。今日一日を過ごすことが精一杯の自分にとって、ついてきてくれない現実まで受け入れようとすると、なぜか鬱に陥り、やる気なくしたりして何もかも手放そうとする傾向があります。これを認めるのもかなり時間がかかったものです。正確にいえば、認めざるを得なかったというところですが、これについて述べることは、本エッセイの趣旨を超えているので、これくらいにして先に進めたいです。

ひとはどんなときに挫折するのでしょうか。自分についていえば、ある状況のもと、準備してきたものが、条件がいきなり変わり、それを達成するためにまた遠回りをしなければならなくなったときによく挫折し、絶望感を感じます。そして、そのようになった隙に、よく自分の弱さがむき出しにされるものですね。人生経験がまだ浅くて何ともいえないですが、つい最近そのような経験をして挫折感を味わったばかりで、対処に苦しみました。そこで、気分転換かねて始めたのが、もっているモノともっていないモノを考えることでした。意外にもっているものも多くあって感謝する気持ちになりました。もっていないモノを考えると多少悲しくなりますが、それはまた新たな目標となって今後の人生の指針となってくれるでしょう。

3月に大きい地震があり、原発事故もあって色々夢見ていた留学生活が狂ってしまった方々、多くいらっしゃると思います。一息抜く気持ちで、皆さんももっているモノともっていないモノについて考えてみてはいかがでしょうか。意外な自分に出会えるかもしれません。中々楽しめると思います。

 
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