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人生は自分が主人公〜自分の考え方、思い方を思い切って変える
ベトナム出身/2004年4月来日
東京工業大学大学院 理工学研究科電気電子工学専攻 博士課程 2年
趣味:読書、写真撮影
将来の夢:研究者になりたい
研究テーマ:ミリ波ネットワークにおける局所降雨に対するダイバーシティの研究
 
 

私は10 年間に亘って日本で専門分野の勉強だけでなく、文化や習慣も学び、そして、人との出会いも楽しんでいます。その中で強く感じることは先輩と後輩の関係です。

私は初年に日本語学校に通って日本語を勉強しました。ひらがな、カタカナや漢字などに並び日本の事情も勉強しました。一年後、日本語学校を卒業した時に最初の目標であった400 字の漢字を達成しました。その後、釧路高専の3 年次に編入し、専門的な知識を勉強してきました。日本語学校で習った、「先輩」や「後輩」という漢字の言葉を書けるようになりましたが、これらの言葉の実の意味がまったく理解できませんでした。高専の寮で暮らしたことで段々それらの言葉を理解できるようになりました。寮で一年生などのような下級生が上級生に対してお辞儀し大声で挨拶するのを見て驚きました。「おはようございます」、「こんにちは」や「こんばんは」は毎日にみんなが会うときに挨拶する言葉ですが、同じ学校の学生なのに、尊敬な顔をして挨拶するのがどうしてかという疑問をもっていました。また、食堂で晩御飯を食べるときに部活を終った寮生たちがいて、先輩という人が後輩にお替りのご飯や味噌汁などを取りに行ってもらうことを見るとその疑問は複雑になりました。

私も高専で同じベトナムの先輩がいましたが、私たちの間では、同じ国なのでベトナム語で会話し、お互いに考え方を理解できるなど、上下関係より友達関係でした。一方で、日本人の先輩・後輩関係では、後輩が先輩を尊敬し、言うことどおりにしなければならないのです。高専を卒業した後にその疑問点をもって大学に編入しました。研究室に入って、「先輩」や「後輩」の意味がまだまだ解りませんでした。大学時代の研究室ではバングラデシュ人の先輩が一人、同級生の日本人学生が二人いましたが、バングラデシュ人の先輩との会話は友達のような会話でした。東京工業大学に入学後、初めてその違いのわけが解けてきました。電気系の研究室に配属され、自分の研究分野も電気工学なので、実験測定の操作の仕方が詳しく解りませんでした。先生は毎日に直接に私に指導ができず、ある操作は上の先輩から私に、先輩から後輩にという風に伝わっています。先輩に、一対一で実験を丁寧に教えてもらったことに深く感謝しています。そのうち、私も先輩になり、日本人の後輩に教えたり、感謝してもらったりして、初めて先輩の気持ちが解ってきました。一言で言うと、それは責任という気持ちですが、その気持ちがあるからこそ、ものごとが効率よく順調に行われるようになりました。社会は人と人の関係により構成されるので、しっかりとした関係があることによって、社会は強くなり、経済発展の場になるのではないかなと私は思っていますが、留学生の皆さんは「先輩後輩」の関係についてはどう思いますか?

 
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