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奨学生エッセイ
 
 
 
祖国の教育事情の改善のために
ケニア出身/ 2007年9月来日
上智大学大学院 グローバルスタディーズ研究科 博士課程1 年在学中
趣味:コーヒーショップで読書、音楽を聴くこと
将来の夢:教授になること
研究テーマ:Social Economy of Mobile Money Transfer: The Story of M-Pesa in Kenya
 
 

私は、祖国ケニアで高等学校を卒業し、そのまま大学進学を考えていましたが、経済的な理由から進学が厳しい状況にありました。それでも私はあきらめずに、進学のチャンスを探し続けました。その中でケニアの友人の一人が、私に日本の大学を紹介してくれただけでなく、その大学では奨学生を募集していたことから私は挑戦してみようと考え、日本に行くことにしました。そして大学卒業後、私はさらに日本で学び続けたいと思ったのです。なぜなら、日本の優れた文化を学ぶことで、祖国であるケニアにその知識を持ち帰り、それを活かすことができると考えたからです。日本に残り勉強を続けることで、私は多くの経験とスキルを得ることができると期待しています。

私はケニアの田舎で7人家族の一員として生まれました。私の父が高校生の時、彼は家族内において最も高いレベルの教育を受けられるほどの能力がありました。ゆえに地元の紅茶の工場で大工として仕事をする事ができたのです。私は彼にインスパイアされ、自分自身もっと勉強をしたいと考えるようになったのを今でも鮮明に思い出せます。私を励ましてくれた彼の言葉は“一生懸命勉強して、私を超えてみなさい”、彼のその言葉は今も私の心で生きています。

私たち家族は多くの苦難を経験しました。時々父の収入は、私たちの日常のニーズのすべてを満たすのに十分ではなかったので、勉強することはすごく難しかったのです。しかし私は父の言葉を思い出しながら、ケニア内でも特に難しいとされている高校に入学することができました。

高校を卒業した後、祖国の若い人々が経済的な理由から、頭がいい人もいるのにもかかわらず、満足に勉学にいそしむことができないことを知り、こんなのは間違っていると思い、自分で何か彼らのために出来る事はないだろうかと思ったのです。自分にとって悩みの相談相手でもあった父にどうしたらいいのだろうと聞いた時の彼の返事にびっくりした事を今でも忘れられません。

「それは仕方のない事だ。いくら才能があろうといくら勉強がしたいと思っても、金銭的な理由からその願望はいとも簡単に崩れ去ってしまうのだ」と言ったのです。それは確たる事実なのかもしれないと思いながら自分自身それを認めたくなかったのです。なぜ学びたいと思う人間が学ぶ事を許されないのか、そのとき怒りにも似た複雑な感情を抱いたのを未だに覚えています。

実際私の同僚のほとんどは学ぶ事を経済的な理由からあきらめてしまったのです。現時点で私は、若い人たちが経済的な理由に関係なく学べるようになる環境や、彼らにとって気軽に学ぶ事が出来る環境作りをするべきだと考えています。従って日本に来て学んだ事や、大学で学んだ事を出来るだけ生かす事で、祖国の学びたいと思う学生が気軽に学べるような環境づくりをしていきたいと思います。

結論ですが、教育は若者たちにとって最も重要なことの一つだと思います。教育は夢の実現に役立つからです。私は、自分の将来のため学ぼうとする人たちが満足のいく教育を受けることが出来る社会を作るために人生を使いたいです。彼らの夢の実現のために少しでも彼らに協力してあげたいのです。

 
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