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奨学生エッセイ
 
 
 
日本の印象
米国出身/ 2010年8月来日
九州大学大学院 工学府 都市環境システム工学専攻 修士課程1 年在学中
趣味:武道、ドラム、料理
将来の夢:教授になること
研究テーマ:エネルギー安全保障指標の作成
 
 

私の日本を巡る印象は三つの体験に基づいています。

一つ目は私が子供の頃に、日本という国が存在することを始めて知った体験です。「七転び八起き、人生は、これからだ」。私は、七歳の時、武士道会という道場でこのことわざをはじめて聞きました。約770年前、九州で生まれた古松奨励流拳法を練習する経験のおかげで、私の人生と運命も大きく変わりました。なぜなら、古松奨励流拳法は八つの技を含み、普通の武道が教えているカタや組み手や体を動かす技に加え、弟子は色々な学弁的な修業もする必要があります。具体的に言えば、気の鍛成技・医術・ヨガと跳び技・逃れ技・哲学・操り技・瞑想法・兵術という必須科目を通して、若い頃から心身の鍛錬に励みました。このために、身体的能力を伸ばすことと共に、江戸時代の町制や幕府と政治制度の影響など歴史上の知識に加え、武士の心や環境・相手・自分に対して敬う等の日本文化と伝統に基づく倫理観を持つようになり、日本人社会は興味深いと思い始めました。

二つ目は大学の頃、京都に留学している時、日本人社会に実際に住み、日本の人々と交流した体験です。大学の三年生として日本語を勉強し続けながら、奥深い文化を有する京都の清水寺、金閣寺、平等院等をはじめ、奈良の法隆寺、広島の出島と宮島、世界遺産小笠原諸島の父島等の本州、九州、四国にわたる様々な奇麗な自然風景に恵まれているところを見学する機会がありました。学際的な勉強を通して、日本の歴史と文化を知っていたため、より感動しました。特に、アメリカ合衆国より長い歴史と伝統を持つ日本について考えると、日本社会とアメリカ社会の特徴と弱点も目にはいってきて、今後はさらに世界的な視野で双方の国に貢献できるようになれると思いました。

三つ目は福島県いわき市に住んだ体験です。「語学指導を行う外国青年招致事業」を通して、いわき市教育委員会の小学校で外国語指導助手として勤めておりました。職場や日常生活においても、日本人社会に溶け込み、日本語や日本文化を改めて吸収し、異文化と直接的または間接的に関わってきました。子供達が自分たちの中で流行っていることを教えてくれたのに加え、先生方に日本人の暮らし方について色々教えて頂いて、お世話になっておりました。やはり、授業中や学校内では児童たちや先生方と日本語でも英語でも話す機会が多くあり、毎日楽しみにしておりました。さらに、お祭り、スーパー、図書館等のところで偶然出会うたびに、より自由に話をし、ご家族やお友達を紹介してくださったり、自分の「教師」という役割以外で、皆と同じく「住民」としても、又は「友達」としても扱ってくれて、心の底で嬉しく思いました。

そして、3月11日以降現在に至るまでの思い出もたくさん残っています。休講の時、毎日津波の被害を受けた海岸の周辺まで行き、他の住民と一緒に震災で発生した瓦礫、大きな廃棄物等を収集、分別、片付けるボランティア活動をしながら、日本中のみなさんが持っていた「自信を持ち、前向きに一歩ずつ進みましょう」という精神を直に目撃し、自分の人生でも取り上げるように努め始めました。在日外国人と呼ばれても、日本人社会の住民として「堅忍不抜」を心に刻み、自分のためにも周りの人のためにも研究に励んでいます。つまり、いわきでの生活が私の人生に大きな影響を及ぼしたことは間違いありません。このような機会を頂いたことは、言葉では言い尽くせない程感謝しております。

上述した日本に関する貴重な体験で、母国の文化や社会を顧みながら、自分たちの価値観や考え方を深め、視野を広げることができました。

 
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