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奨学生エッセイ
 
 
 
輝くものの背後に
中国出身/ 2009年9月来日
京都大学 工学部工業化学科 4年在学中
趣味:バレーボール、旅行
将来の夢:技術者
 
 

私は大雨の後の虹が大好きである。雨が上がり、灰色だった空にまぶしい太陽の光が差し、青空が広がっていき、一二三と色の種類が数えられる虹が現れる。深呼吸すると、洗いあがった空気に草や花の匂いが漂っていることに気付く。すがすがしい気分になり、このような場面に現れる虹がとても美しく見える。

努力しても、結果が見えないとき、私はよくこの場面を思い浮かぶ。なぜなら、そういう時、私は自分に、今は雨の中で、激しくなっても大丈夫、激しくなればなるほど、きれいな虹が見えるよと自分に言い聞かせるからである。

努力しても、壁にぶつかり、上手く行かないときは人生に多くある。しかし、そこでまた頑張るか、あきらめるかで結果が違ってくる。頑張ればきっと成功する保証はないが、あきらめれば、成功はやってくることはないに決まっている。

私は高校のとき日本で留学したことがあって、その時バレーボール部に入った。自分の国に部活というものがなく、部活はどういうものか知らなかった。部活は毎日あり、しかも夜遅くまであった。ホームステイ先は学校から遠く、睡眠時間が十分とれない状況になっていた。私はほかのメンバーのように中学校からバレーボール部に入っているわけでもなく、上手くなかった。最初のころ、みんながスパイクのときはボールを拾っているだけで、基礎のところの進歩が見えなかった。しかし、上手くなりたい一心で、頑張った。毎日疲れるが、あきらめずにやり続けた。引退最後の日の練習はミスなしに全部のスパイクが打てて、レシーブの練習なども上手く行ったことは深く記憶に残っている。引退の日に部活の仲間に本当にうまくなった、と言われて、何よりもうれしかった。国に帰って、スポーツ大会で、みんなを引っ張り、バレーボールでクラスが学年の一位になったり、体育の授業で、スパイクをかっこよく決めたりして、バレーボールは私に大きな喜びを与えてくれた。バレーボールができる時間はいつも楽しく、上手くなってこそ楽しめるものだと私は思った。頑張り続けた甲斐があったと感じた。

すごい発明家であるエジソンは何千種類も試して初めてフィラメントの材料を見つけられ、ハリーポッターを書いたJ.K. ローリングはハリーポッターを13 社にも投稿して初めて出版された。楽なことをしていろいろなことを達成した人はそんなにいない。苦労していないように見える人も実は悔しかったり、ほかの人を羨ましがったりしていたことを最近周りの何件かのことで分かり、それを確信した。

つまり、実はみんなは同じで、楽してやっているように見えるのも密かに努力しているはず。そして努力あっての成功が一番輝いているように見えると私は思う。

輝いている人を見たら、羨ましがるより、その人は努力していただろう、私も見習おうと思いたい。人生にはハードルがたくさんあるだろうが、ハードルがあるからこそ輝く人生が待っていると私は信じる。失敗したら、傷つくが、その傷跡は成功するための証となるので怖くない。

お茶は熱湯に入れてこそ香り、刃物は磨いてこそ良い刃となる。苦しそうな羽化があるからこそ虫は蝶々になる。輝くものの後ろに努力が潜んでいると私は信じている。

 
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