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奨学生エッセイ
 
 
 
日本を伝える2冊の写真集
ウガンダ出身/2008年4月来日
早稲田大学 国際教養学部国際教養学科 4年在学中
趣味:チャレンジすること。現在、日本語と日本の生活にチャレンジしています。
将来の夢:日本とウガンダを共にハッピーにするビジネスをすること
 
 

私は2008年4月に来日したウガンダからの留学生です。来日して1年間は日本語学校で日本語を勉強し、翌年、早稲田大学に入学し、今はもう4年生です。日本のことわざに「光陰矢のごとし」とあります。「月日は飛び去る矢のように速く過ぎていく」という意味だそうです。まさに私の日本での生活は矢のようなスピードで過ぎて行きました。

双日の奨学金は、日本での私の学生生活の助けになり、感謝しています。

日本での生活は最初はわからないことばかりで、ホームシックになり、ウガンダに帰りたくなったこともありました。でもいまの私は、そのころの私と違った自分を発見して、一人そういう自分を見ることがあります。はじめは、なぜ日本人はイエス、ノーをはっきり言わないのかな、デパートの食堂へ行ったときは、こんなに人が大勢で一度に食事をしているのに、どうして静かなのかな、日本人はちょっと変わった人たちかなと、思ったりもしました。でも今の私には、日本人独特の考え方があるように思えます。イエス、ノーをはっきり言わないのは、意見や考え方が自分と違った時に、相手の人と争いにならないようにと、先のことを考えて、イエス、ノーをはっきり言わないのではないかと思っています。また、デパートの食堂で大勢の人がさわがずに静かに食事をしているのは、もし自分たちが大きな声をだして話しながら食事をしたらほかの人に迷惑になるのではないかと、先のことを考えての行動だと思います。このような考え方が日本人が礼儀正しいといわれてきた根源だと思います。相手のこと、他人のことを思いやり行動する。

私は、2冊の本に出会いました。一冊は1950年代の東京の写真集、もう一冊はGHQ(General Headquarters as Supreme Commander of Allied Powers)カメラマンが撮った戦後ニッポンの写真集です。この2冊の写真集は、私に未来のウガンダを教えているような気がしてならないのです。1950年代の東京の中心部より今のウガンダの首都は進んでいるような気がしますし、地方は今のウガンダそのもののような気がします。今のウガンダの人々が戦後直後の日本人の国を復興したいという気持ち、すなわち、日本を民主的な国にしたい(GHQ写真集による財閥解体、労働運動)という気持ちをウガンダ国内に混乱を起こすことなく実際の国内体制として実現すること。または、日本では必要とされていない、例えば竹竿で井戸を掘る技術(日本国内ではもはや必要とされない中小企業の技術集団の技術等)や今の進んだ技術をウガンダの人々に伝え、教え、互いに意見や考え方を交換し、お互いの意見の違いや、考え方の違いを理解しあったうえで、ビジネスを進めればウガンダはすばらしい国になると同時に、日本とウガンダはともにハッピーになるビジネスが作れると思います。このビジネスを作ることが私の夢です。

また日本が日本人の意見や考え方を世界に主張することが、日本の今以上の民主化すなわち世界に誤解を与えないことと思います。日本人が相手の気持ちを思うあまり誤解を与えているのかも知れません。私は日本がすきです。私の第2の祖国になると思います。

民主化や経済発展には先進国、発展途上国、後進国の違いはないと思います。ただ段階が違うだけだと思います。個人の幸福と個人全体としての国の調和だと思います。

 
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