韓国のNAVER という検索エンジンに「もう諦めようかな。」を検索すると、まず真っ先に「諦めるな! (Don’tgive up!) 」という検索結果が出てくる。これは「命を愛するキャンペーン」の一環で、下には自殺予防センターの電話番号とオンライン相談窓口のリンクが書いてある。「自殺しようかな。」を検索しても結果は同じである。
いつの間にか10 代から30 代の若者のうつ病と自殺が話題になり、その割合もだんだん高くなってきている。入試、いじめ、学校成績、対人関係、就職、失業など、その理由は様々である。特に、自殺まで考える人の共通点は、「話を聞いてくれる人がいない」ということだったという。
留学生の場合、自分の目標のために、若い時から不慣れの土地へ一人旅することが多い。自分が住んでいたところから離れ、他の地域、他の国で新しい生活を始めるということは、期待感溢れることであると同時に、予想外のことがいつ起るか分からない状態でもある。新しい環境に適応する過程、自分の留学目標を果たそうとする過程、そして色んな人に出会う過程などでストレスがだんだん溜まり、これが上手く解消できないと、うつ病になってしまうのである。
約4年間にわたる留学生活の中で、私は2回もうつ病になったことがある。そのうち1回は今年の春のことであるが、その時期には健康も良くなくて、親友を失い、将来に対して希望もなく、何でも上手くいかない気がして、絶望していた。カウンセリングを受けてもあまり効果がなく、むしろ外国語でのカウンセリング治療に限界を感じてしまった。
今はもう大丈夫になったが、色んな場面で孤立しやすい立場である留学生にとって、私のように一回ぐらいは単純に「スランプ」という言葉では説明しきれない時期が来ると思う。個人差はあるだろうけど。
経験から見ると、留学生にとって、必ずと言ってもいいほど必要なものが四つある。それは趣味、話す相手、目標、そして自己愛である。
まず、趣味の話をしよう。ストレスが溜まるばかりで、発散する場所がないという人は心の病気になりやすい。旅行やスポーツなど活動的な趣味でもいいし、映画鑑賞や読書など非活動的な趣味でもいい。自分が好きなこと、気持ちよくなること、癒されることを探して、ストレスを適宜に処理してしまう必要がある。自分が好きなことをすることで、ポジティブなエネルギーを得ることができて、うつ病から遠くなれるのである。
留学生は色んな人と交流し、友達が多いだろうと考える人がいると思うが、言語・文化・価値観などの違いが原因で、留学生が孤立する場合も以外と多い。だからこそ、留学生にとって「話す相手」は必要不可欠である。「話す相手」はつまり「私に興味を持って悩みを真剣に聞いてくれる人」を意味する。特に解決策なんて望んでいなくても、話を聞いて共感してくれる人がいるだけで、人は癒され、寂しい思いから逃れることができる。
次に、留学生にとって欠かせない「目標」について話してみよう。何らかの夢を持って留学を決心したはずなのに、その夢を失ったり何か上手く行かなかったりすると、挫折してしまうのである。しかし、逆に考えると、確固たる目標を保持した留学生なら、挫折することもないという話でもある。目標というのは変わるものではあるが、目標を持っていることと持っていないことは大違いである。「何のために留学したか」を忘れずに、自分の目標を定め着々と実現していくことで、人は前向きになれるのである。
最後に、自分を大切に思う気持ちを持っている人はうつ病になりにくい。自尊心ではなく、自存感の話である。自存感の低い人の場合、何でも自分のせいにしてしまう癖があり、ストレスに弱い。逆に、自分の価値を見付けて、自分の能力を認めるだけでも、うつ病の可能性は大きく減る。自慢するのではなく、自分のありのままの姿を愛し、自分は大切な存在であると思い続けることが必要であると思う。
一見すると、誰でも知っている当たり前なことかも知れない。しかし、これを十分実践している人はそんなに多くないと思う。特に、不慣れな他郷で自立しなければならない留学生には、自分なりのストレス対策を立てておく必要がある。留学生のみんな、うつ病なんかに負けずに、自分の夢に向けて進んでほしい。頑張ろうね! |