私は、以前から日本の独特な伝統や文化に興味がありました。私の国とは対照的で、日本は島国で約270年間鎖国をしていました。日本の独特の文化が発展しました。一方、母国シリアはヨーロッパと東アジアの中間にあり、長い歴史のなかで多くの国が支配し、国名や領土も変化しています。多様な文化です。
特に、第二次世界大戦後の日本の目覚ましい復興にはとても興味がありました。
私は来日後、大阪日本語学校を経て大阪大学大学院に入学し、現在は卒業論文に取り組んでいます。そして学生生活を楽しんでいます。クラスの雰囲気はフレンドリーで、国際的です。世界各地からの学友と、後世のためにどのように世界をより良く、安全にしていけるかを日々、議論しています。
日本人の友人や学友もたくさんいます。私が英語やアラビア語を教えて、彼らに日本語を教えてもらったり、世界のいろいろな問題について語り合ったりしています。また、親睦を深めるためにパーティをしたり、週末には食事に出かけます。日本人は、外国人に対してとても親切です。お店のサービスだけでなく、役所や病院などの公共サービスもとても丁寧で、日本の社会になじむ事は、私が思っていたよりもスムーズで簡単でした。
私の担当教授をはじめ、教授たちは、とても協力的で親切です。彼らは、私達学生の勉学に努力を惜しまず、難しい質問にも答えてくれます。そのうえ、私の専攻学科(国際公共政策)と同じような科目の、他の大学教授とも良い関係を継続しています。
学生生活の他に、私は、小学校、高校、立命館大学などの有名な大学や、笹川平和財団など複数のNGO などでシリアについて講話をしています。日本人にとってシリアはなじみのない国なので、シリアの歴史や文化風習、自然、料理などを紹介し、現在も続く戦争の始まりから経緯について話をします。初めは人前で話すと緊張をしましたが、慎重に答えるべき質問に答えたり、200人以上の聴衆に講話をすることで度胸ができ、さらに良くしようと、プレゼンテーションの技術を磨いていきました。
私が学生時代に取り組んだ(現在も取り組んでいます)中での一番の達成は、日本にシリア人留学生を増やすプロジェクトに参加したことです。東京で会議が数回ありました。私は、日本における、シリア人のより高い教育に関して、4項目からなるレポートを作成し、2016 年3月に日本政府へ提出しました。
JICAとNGOや大学の教授たちの協力と連携により、私達はシリア人留学生のための日本の奨学金を、5つから30へと増やすことができました。日本及び国際的なメディアが報道したように、JICAと文部科学省は2016 年から2021年の間に150人のシリア人留学生を受け入れるよう決定しました。日本はシリアからの移民や難民をほとんど受け入れていません。もっと受け入れて欲しいと思いますが、このように「留学生受け入れ」という方法で150人のシリア人の将来が開けるのは、うれしいです。
将来的には、私は、日本と中東、特に私の母国であるシリアとの架け橋になりたいと思っています。そして、私は、中東に平和を築けるような仕事をしているでしょう。
私は、良い関係でいられる教授や世代を超えた友人、学友のみんなに感謝しています。そして、私をこの双日国際交流財団の一員に選んでいただき、心から感謝しています。私は、双日国際交流財団のご希望に添えるよう、全力で応えたいと思っています。 |