大学4年生の時、2015年度の日本政府によるベトナムへのODA供与が3000億円(25億ドル)に達するとの見込みが明らかになり、この金額は過去最高となった。日本のODAを活用したプロジェクトにより、ベトナムのインフラは一層改良された。日本の質の高いインフラは、比較的価格が高いことも多く、資金に余裕のない国は導入をためらうこともある。そこで、日本は、アジア・アフリカなど世界全体にも長期低金利での融資や、出資、NEXIによる貿易保険などで、質の高いインフラの導入を後押ししている。資源が少ない上に、地震などによる被害もよく受ける日本は経済成長を達成しつつ発展途上国に対して支援を行っている。特に、大震災などの緊急時の日本人の振る舞いは世界の人々を脱帽させた。ベトナム人は日本人に大変憧れており、日本は美しいですが、それ以上に美しいのは日本人の心だと思っている。私は日本に留学し、ある程度の時間を日本で過ごし、日本人らしさを実感できた。
日本に来たばかりの頃、アマゾンのようなオンラインショッピングサイトの倉庫でアルバイトをしていた。仕事内容はハンディーという機械を使って同じ客に注文された商品を集めるという単純作業であり、一人一人の成績も容易計算でき、一日の終わりにアルバイト全員の成績が掲示板に掲示される。そこで、気になったのは成績が異なっても、同じ時給しかもらえないこと、そして、その制度に対して文句が一切ないという日本人の態度である。しかも、日本人アルバイトは他人の成績と比較せずに自分ができる限り成績を上げようとしている。成果主義を採用している国に育てられた私は不思議だと思い、尋ねてみると意外な答えをもらった。成績だけでなく、それを達成するプロセスも重要であり、一人一人の成績が違っても、全力で頑張ったのは一緒だからという。その考えは私を感動させた。
世の中には、どうして私の方が大変な仕事をしているのに、あの人と同じ給料なのだろうと思う人がいる反面、どうして私の方が能力があるのにチャンスがもらえないのだろうと給料よりも自分を活かしたく、難しい仕事をしたいと思う人がいる。給料は同じでも楽を選ぶのではなく自ら大変な道を選ぶことで自分を成長させられると考える日本人が多いようだ。大学院で日本人とグループワークする際にも、ほとんどの場合、担当する部分を先に選ぶ人はいつも一番難しいところを選ぶのである。日本人がそうした理由は自分を活かしたくて、自分のことを考えるだけでなく、相手のことも考えるからだと思う。
日本人から何を学べたかといえば相手の気持ちを考えてお互いを尊重し合える関係を作ることである。日本での生活には他者への配慮が欠かせない。子供に対する躾として大切に思っていることの中で、一番注目されているのは人に迷惑をかけないことである。時間やマナーを守る事は周りの人に迷惑をかけないよう努力しているということである。そして相手を傷つけたくないので曖昧な言い回しを使い、「ノー」と言えない日本人は多い。日本人は本音を言わないとよく耳にしたがこれも相手の気持ちを考え、自分が賛成できない意見があってもストレートに反対したくないからだと思う。特に本音を言わないのは社会人、比較的安定して大きな組織に勤める組織人に多い。
現代の日本では少子高齢化問題が深刻になっている。対策として、日本政府は外国人を積極的に受け入れている。日本人と一緒に働く外国人の私たちには日本人の性格を理解し、その気質を学んで活かすことが重要だと思う。
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