私は日本に来る前と日本に来た後で大きく変わったことが一つあります。それは日本人が話す言葉の本当の意味を理解できるようになりました。
日本に来る前、私はベトナムの日本語学校で日本語を学んでいた際、先生がしきりに「建前」という言葉について説明していました。私の母国ベトナムでは、こう言ったような言葉はありません。そのため、日本語学校にいた際に、この言葉の意味を辞書などで調べたりし、意味を知っているつもりでした。しかし、日本に来てからこの言葉の本当の意味を知ることになるのです。
京都では、「お茶漬けいりますか?」この言葉を訪ねてきた人に聞くことがあるようです。わたしはこのことを初めて聞いた際、京都の人は親切な人なのだと思いました。しかし、実際にはこの言葉の意味は、「早く帰って欲しい」や、「もう忙しくなるからお開きにしたい」という意味だそうです。私はこれを知った時、驚愕しました。なぜ、早く帰ってほしいのにお茶漬けを食べるか聞くのだろうと。
また、電車で隣に座った人に話しかけるとほとんどの人が笑顔で話してくれます。しかし、その中には、本当は話したくないけれども、笑顔で話すという人もいると日本人の友達が言っていました。
私の住んでいるベトナムでは、話したくない時や、帰って欲しい時には明確にNOと言います。ですが、日本ではあまりはっきりとした断りの言葉を聞いたことがありません。大抵、遠回しに断られたり、直接断るような言葉を日本人は言うことが少なく感じます。
これはなぜなのか。私は日本人特有の「おもてなし」の心がこれらの理由であると思います。
できるだけ相手を傷つけないように何か他の方法、言い方を考えよう、こう言ったことをスムーズにできる日本人は素晴らしいと思います。
私は来日した当初、日本人が話す建前の本当の意味を知りませんでした。そのため、日本人が言った言葉をそのまま受け取っていたので、勘違いしていたことも多々ありました。もちろん本音で言っていた方も多いと思います。しかし今では、建前と本音、これを見分けられるようになり、自分自身も、本音と建前を使い分けるようになりました。特に、容姿や学歴など、相手のプライドに関わることは、日本人は特に「建前」を使うのだと思いました。
日本はオリンピックの誘致の際、「おもてなし」という言葉を使って一世を風靡したほど、世界的にもホスピタリティが高い国です。このホスピタリティの高さは日本人が古来より続けてきたこの本音と建前文化によって根付いたものであると私は考え、そこが日本人の良いところでもあり、悪いところでもあるのかなと4 年間の暮らしで感じました。
ストレス社会と言われる日本でも、こうしたホスピタリティのおかげで、旅行に行った際はストレスフリーな生活を送ることができます。しかし、過度にホスピタリティを要求するのもこれもまた、よくないことだと思います。
日本人の言葉の本当の意味を理解できるようになってきた今、就職後のビジネスの場においての取引で、本音と建前、この学んだ力を存分に発揮し、これからも日本で幸せな暮らしをしていきたいと思います。
富士河口湖。6月16日。美しい日本、文化でも人でも景色でも、全て愛しています。
私が作ったご飯です。本音や建前はさておき、みなさんの意見を聞きたいです。
日本の本音と建前は分かり難くて、周りの人と上手く生活を送れない時もあると思いますが、いつも心から笑顔を出すなら誰でも可愛がってくれるでしょうと私は思っています。
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