私は日本の「何もないところ」で勉強することになるなんて、夢にも思っていませんでした。
日本への留学といえば、東京や大阪のような大都市を思い浮かべる人が多いでしょう。でも、私の留学先はまった
く違いました。私が通っているのは、新潟県南魚沼市という静かな町の山間にある、IUJ(国際大学)という小さな国
際大学です。ここでの経験は、私にとってかけがえのない特別なものになりました。
キャンパスは高い山々に囲まれ、新鮮な空気と美しい景色に恵まれています。1 年間をここで過ごす中で、私は季
節の移り変わりの美しさに日々感動してきました。ベトナムにも四季がありますが、日本の四季はまったく違って感じられます。より鮮やかで、まるで詩のようです。
私が日本に来たのは2024 年9月中旬、ちょうど紅葉の始まりの時期でした。赤く染まったもみじを見るのは初めてで、その美しさに息をのみました。キャンパスから見える山々が、緑、黄、オレンジ、赤の色に染まり、まるで絵画のようでした。その風景とともに、私自身も新しい環境に馴染もうと少しずつ変わっていったように思います。紅葉の季節には、留学生の仲間たちと一緒に初めての旅行で京都を訪れました。日本一の紅葉スポットに心が躍りました。
数か月後、冬がやってきました。南国で育った私にとって、雪を見るのは初めての体験で、とても感動的でした。この冬は特に雪が多く、積雪は3メートルを超えました。外出が難しく、寒さも厳しい日々でしたが、それでも私たちは冬の暮らしを楽しみました。初めてスキーをしたり、雪の中で温泉に入ったりと、日本ならではの冬の魅力を体験しました。
しかし、冬は常に楽しいわけではありませんでした。雪景色は美しいけれど、すべてが白に包まれ、山々も見えなくなり、世界が静かで遠く感じられることもありました。初めて感じる孤独もありました。雪に囲まれた生活の中で、閉ざされたような気持ちになることもありました。
やがて春が訪れました。雪解けの中から小さな花が顔を出すのを見たとき、命の息吹を感じました。IUJには「さくらレーン」と呼ばれる小道があり、桜が咲くと、そこが私の一番好きな場所になります。春風に乗って舞う花びらの中を歩くたび、まるでアニメの世界にいるような気持ちになりました。
それぞれの季節は、ただ美しい風景を見せてくれるだけ
でなく、私の心の中にもさまざまな変化をもたらしました。秋は私の目を開かせ、冬は私の強さを試し、春は私の心をよみがえらせてくれました。そして、どんなに環境が変わっても変わらなかったのは、ここで出会った仲間たちとの絆です。私たちは世界中から来ていますが、一緒に食事をしたり、宿題をやるのを助け合ったり、日々の小さな出来事を笑い合ったりして、まるで家族のような関係を築いてきました。また、南魚沼の優しい地元の方々にも、心から感謝しています。日本語を教えてくれたり、日本料理をご馳走になったり、旅行に連れて行ってくれたりと、まるで自分の家にいるように感じさせてくれました。言葉の壁がある中でも、温かく受け入れてくれたおかげで、この町が第二の故郷
のように感じられるようになりました。この小さな町で、私は人とのつながりの美しさを学びました。「なにもない町」は「人情いっぱいの町」に変わりました。今、夏の太陽の光を浴びながらこの文章を書いています。そして私は、
これから続く新しい冒険に心を弾ませています。
 八海山での初めてのスキー体験
 着物を着て、IUJのさくらレーンを歩く
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