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魔法の国、日本
モロッコ出身/2010年10月来日
東京大学大学院 情報理工学系研究科知能機械情報学専攻 博士課程 1年在学中
趣味:旅行、サッカー、ピアノ
将来の夢:ロボット分野で起業すること、モロッコで大学教授
研究テーマ:被災環境で危険にさらされている人間を検索できる飛行歩行ロボットの開発
 
 

私は世界のいろんなところで日本人に会ったことがある。フランス、ドバイ、オーストラリアで日本人と出会い、その出会いはいまだに続いている。しかし、モロッコでは日本人と会う機会はあまりなかった。

この前帰国したときのこと、そろそろ夜になるところだった。カサブランカから姉さんのところ、マラケシュに行くのに安い列車に乗った。モロッコではあんな安い電車で旅行するとき列車の止まる駅が多い。また、乗り換えも頻繁にしないといけない。あの日、僕はカサブランカから数キロ離れた小さな駅に降りた。このように小さい駅では外国人を見たことがなかった。僕は椅子に座り本を読んでいたとき、見たことがあるような女性が向こう側のカフェにわたろうとしてた。はっきりとした自信はなかったが、日本人かなと思った。なによりも、こんなところで外国人の女性ひとり何をしにきたのだろうかと思った。タクシーの人が次々と彼女を「カサブランカに行かないか?」などと聞き、彼女はそれを断ってた。そのあと彼女のことを忘れ僕は本に夢中になってた。少し後、彼女は戻ってきて僕の向こう側の席に座った。カバンから「モロッコへようこそ!」と書いてある本をだし、困惑した顔をして読み始めた。その時点で間違いなく日本人だということが分かった。その時僕は初めて日本に来たときを思い出した。日本語を話せず、日本のことを何も知らず、すごく迷っていたときに僕はいろんな方々に助けてもらった。彼女も同じく、モロッコ語やフランス語を話せず迷ってるのではないかと考えた。

それだけを確かめるため彼女のそばに行き「こんにちは!日本人ですね。僕日本に住んでますよ!」というと、彼女は目を大きく開き「えええ!本当ですか ?」と答え、そこでしばらくお話をした。彼女は鎌倉出身で面白くて素敵な人で、旅と冒険が好きな人で一人旅をしてるところでした。マラケシュを尋ねに来て、砂漠も見にいきたいって言ってた。砂漠はどのように行けるのかと聞くと「あ、それはまだ分からない!」と返ってきた。また、彼女はインターネットへのアクセスを持たず、マラケシュでの泊まるところやマラケシュでの計画を何もたててなかった。あの本「モロッコへようこそ!」は彼女のすべての情報源だった。このストーリィを聞きながら自分の中で彼女はカッコいいなと思った。

彼女も僕と同じく一番安い列車に乗ってマラケシュへ向かう予定だった。一時間ほど話をしてたらそろそろ列車が出発するところだった。その時彼女は「大丈夫!一時間まだあるじゃない」と答えて時計を見せられた。その時計は壊れてて彼女はそれに気づかなかった。その上、この電車はあの日の最後の電車でした!やっぱり彼女に聞いてよかった。その後二人で列車に急いで乗った。数時間後マラケシュに到着した。

僕は姉と出会い、彼女が泊まるところを探してることを姉に伝えた。僕は来日したとき歓迎してもらったことを感謝しており、僕の家族が日本人と出会ったことをうれしく感じた。今回は僕の恩返しの番だった。その後彼女を案内し、マラケシュを少し回りました。「 Jema elFna」と言うある有名な場所で時間をすごした。そこはいろんなパフォーマーや店が集まる場所であり、スパイス、グリル、香水の香りと薄闇のランプがまざってとても独特な雰囲気ができていた。彼女はモロッコの革のカバンとサンダルを買った。その後、伝統的なモロッコ料理に晩ご飯にいった。食べ終わったら彼女が泊まるところを見付け、別れを告げた。離れた後姉さんが「日本人はね、とても優しい人々ですね!今度私も日本見に行きたい!」

私の頭から消えない記憶は、その彼女と姉さんは同じ言語もできず、背景も違い、二人が出会ったばかりなのに、頑張って手やジェスチャーでコミュニケーションをしながら、まるで旧知の友人同士であるかのように笑いあっていたことだった。私は日本で先輩達や、友達のさまざまな人に非常にお世話になって深く感謝しており、彼らのおかげで日本での楽しい時間を過ごした。そのため、日本人との深い友情のつながりを感じていた。あの日姉さんと日本のお嬢さんもその友情のつながりを作ったように、母語、感覚、文化の違う人々と出会い、お互いに笑って、ストーリィを交わして、お互いを理解し、この世界中の人と人でどんどんこの友情のつながりを広げ、きっとこの世界が優しくて楽しく進めることに今後も自分は貢献していきたい。

 
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