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奨学生エッセイ
 
 
 
日本での生活を通じて感じたこと(国際交流)
中国出身/2010年10月来日
京都大学大学院 薬学研究科薬科学専攻 博士後期課程 1年在学中
趣味:バスケットボール、旅行
将来の夢:人を疾患の苦痛から救いたい
研究テーマ:軸性不斉 Rh 触媒の機能化による不飽和脂質の位置選択的不斉シクロプロパン化
 
 

発展途上国で経済的な問題で薬を買うことができないことがよくあります。小さい時から、人を疾患の苦痛から救いたいという夢があります。高校卒業後、中国薬科大学で勉学することになり、夢に近づく第一歩となりました。しかしながら、それはあくまで第一歩であり、勉学するにつれ、「薬」の可能性の無限さを覗くことができました。そこで、自分の知識や研究能力には足りないところが多大あることを深く認識しました。人を疾患から救い、幸せにする創薬分野で立派な研究者になり、独創的な研究をするために、自分の視野を広め、研究能力を高めなければなりません。

一方で、自然科学分野でノーベル賞受賞の先生や世界中に有名な科学者が輩出していることから、日本での研究者育成のための教育、技術、環境が整っていることが分かってきました。そこで、医薬研究が最も発展している日本で、高いレベルの学問と研究能力、科学的な精神を身に付けることを目的として、日本に留学を決め、大学卒業後とうとう日本に上がりました。

新しい国に来て、日本人の優しさときれいな環境にすごく感動しました。でも日本語がほとんどできなく、生活にはたくさんの不便が生じていました。言葉の問題と経済上の問題で何度もあきらめたかったです。この中で、自分の夢がずっと支えてくれました。まず言葉の問題を解決するには、化学研究とともに日本語の授業を受け、また週に一回の日本語カフェ活動にも参加しました。それを見た研究室の日本人学生も親切に日本語を教えたり、外出に付き添ってくれたりしました。お蔭で言語の困難を乗り越え、新しい環境に順調に慣れることができました。また、その過程の中で、彼らの他人に対しての親切さ、真面目さに感心しました。この友情を大切にし、もっと仲良く、幅広く付き合っていきたいと思いました。

それと同時に生活費を儲けるために、毎朝の新聞配送のバイトに応募しました。その時、早朝四時に起きて、雨の日にも風の日にも一軒一軒と新聞を配りました。昼は実験室で研究し、休憩時間は日本語の勉強をし、こんな生活を一年余り過ごしました。勤勉の結果、修士2 年の時、抗マラリア剤の研究成果はとうとう国際的な雑誌で発表されました。

人生は山登りのように、一気に最後まで頑張るからこそ、一番美しい景色を見ることができます。よりよく先端的な知識を学ぶため、岡山大学で修士を卒業後、日本トップの大学‐ 京都大学で続けて有機合成化学の研究を行っています。ここに来て厳しい生活の中で、奨学生として双日国際交流財団に採用していただき、本当に助かっています。こうすれば、時間を集中して研究にもボランティア活動にももっともっと力を入れることができます。生まれ育ってきた環境と異なる環境に身を置くことで、視野が広がり、国際環境を客観的に理解することができます。そういった理解を国際交流の「基礎」とし、積極的に日本をはじめ各国の学生と友好しています。また、個人的に新留学生の生活アドバイサーなどのボランティア活動も行うなど、学生時代から国際人としての経験を積み重ねることを心掛けています。

将来には自分自身は使命感を強く持っています。母国の中国には改革開放以来、経済の面、貿易の面では速やかな発展が見られますが、医薬業界では世界に広がる中国製の新薬はまだありません。ですから、そこで何かできることが絶対あると思います。

 
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