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奨学生エッセイ
 
 
 
夜間学校についての考えが変わってきた
韓国出身/2008年3月来日
一橋大学 社会学部 3年在学中
趣味:音楽やラジオを聴くこと、たまに思いきり料理
将来の夢:頼もしい娘と妹、賢い母親
 
 

私は2008 年に来日し、2 年間のタームはありましたが、現在まで合計3 年半、一人暮らしをしています。親元を離れ、自由な生活ができ、かなり満足していた初年を過ぎ、少しずつ「やっぱり家族と一緒ににぎやかな環境で暮らしたいな」と思うようになってきました。昼間には寂しさを感じる暇がないほど難しい授業や勉強で、また友人との楽しい時間過ごしで多忙ですが、その「充実した」一日を過ごして夜中一人に部屋に帰ると、母国にいる家族や友達が思い浮かび、どうしてもホームシックになってしまうのです。こんな私に最近日本で家族になってくれたように感じるのがラジオです。私にとってテレビや新聞で毎日見かける芸能人や政治家はとくに親しみを感じない遠い存在です。彼らの話を聞いていてとくに落ち着いてきたり、ホームシックが改善されたりしないことがテレビ生活を送った1 年弱でよくわかりました。しかし、ラジオでは私のような平凡な人々の話が聴けるのです。自分が何となく落ち着き、家族と一緒にいる楽しい時間のように感じるのは多分それが理由ではないかと思いました。ほかのメディアとは異なって一般市民の参加度が高いラジオの魅力にはなかなかはまるものです。また、一つのラジオ番組を繰り返し聴いていると、よくメッセージを送ってくる人がいることに気づきます。ラジオのDJ さんがその人にはかならず「○○さん、よくメッセージ送られて下さる方ですけどね」という風に一言加えているのでその人のラジオネームを私にも覚えられて、無性に親近感を感じます。そんな風に感じる人、きっと私だけではないと思います。皆は「あ、またあの人だ」という風に共通な知り合いができたかのように感じているのではないでしょうか。そこで出会うのは本名も知らない人々ですが「愉快なおばさんの話」「最近びっくりした話」「野球と私」といったいろいろなテーマにそう、時には面白おかしい、時には涙ぐむような話を送っている人々に、私はまるで親戚のおばさん、小学生のいとこと一緒にいるような気分になります。

以上までは日本のラジオ番組についての話でしたが、最近はスマートフォンやインターネットから母国の韓国のラジオ番組も簡単に聴けるようになりました。毎日、日本語や英語で疲れている私に、部屋の電気を消して、ベッドの上で体をリラックスして聴く韓国のラジオはオアシスのようです。韓国で今はやっている歌、またホットな話題についても聴けます。韓国と日本との距離はほかの国に比べれば相当近いですが、日本での毎日を充実にこなしているうちに、母国のことが遠く感じることが時にはあります。そこで韓国のラジオがまた私をやさしく引っ張ってくれる存在ではないかと感じます。「海外の△△さん、メッセージありがとうございます。留学って大変ですよね。でも遠いながら応援します。頑張ってくださいね!」というDJ さんのことばから今同じく海外にいる留学生、移民者たちとともに大きな力をもらっています。日本での「家族」と「オアシス」、どちらも私の留学生活を豊かにする大切なものです。もはや二つの支えに慣れてきた今は、二つなしでの生活を考えられません。「おはようございます。日曜天国安住紳一郎です。○月△日の日曜日、みなさんはどんな日曜日をお迎えでしょうか」「こんばんは。夜でも夜明けでもない時間、完全録音放送を志向するK の楽しい私生活、これから2 時間お付き合いください」のオープニングにウキウキしながら、日本と韓国を行ったり来たりしながら、最近暮らしています。

 
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