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奨学生エッセイ
 
 
 
当たり前
ベトナム出身/ 2011年10月来日
東北大学大学院 工学研究科 修士課程1年在学中
趣味:読書、カラオケ、料理を作ること、生花
将来の夢:おもてなしによる日本の旅館をベトナムに進出
研究テーマ:CO2地中貯留のためのドライアウト現象が岩石の孔隙に及ぼす影響に関する研究
 
 

日本人が礼儀正しく、日本が魅力的な国だと思われております。日本人が感謝の気持ちを表す時に真っ先に出てくるのは「ありがとう」という言葉です。それでは、皆様はこの「ありがとう」の反対の言葉をご存知でしょうか? 「ありがとう」の反対の言葉と聞いて、パッと思い浮かぶ言葉は何でしょうか? おそらく多くの方は、「すみません」という言葉と思うかもしれませんが、「すみません」といった言葉は相手に詫びる時などの表現であり、「ありがとう」の反対語ではなさそうです。それでは、「ありがとう」の反対の言葉とは一体何でしょうか? 私は「ありがとう」の反対語が「当たり前」と日本人の指導教員に教えていただきました。このエッセイで「当たり前」というテーマについて個人的な意見を述べさせていただきたいと思います。

海沿いの小さな町で生まれ育った私は、子供時代、両親が農業に従事し、家族の経済を支えていたため、両親に様々な家事の手伝いをしなければなりませんでした。そのために、友達と遊ぶことは少なくなり、学校をサボったりして、両親によく怒られました。当時の幼い私は歩けること、目が見えること、耳が聞こえること、呼吸ができることなど、生きていることが当たり前で、私を生んでくれて、一生懸命育ててくれたことが当たり前と思い込み、いつも怒られるので、両親のことを憎んでいました。今でも思い出すと、あの時「こうしておけばよかった」と後悔ばかりでした。毎日笑ったり、泣いたりして生きていることは当たり前のことでなく、もしかしたら奇跡の連続かもしれないので、今生きていることに心より感謝しており、精一杯生きることを大切にしたいと考えております。

親元から離れ、初めて日本に留学したことは時をさかのぼってもう6年前の話でした。この6年間のことを振り返ると、様々な支えの中で歩んできたと思います。私は来日したばかりのころに、日本語も出来なく、周囲の日本人に話しかけられても日本語で返事すらできなく、引きこもった日々もありましたが、素晴らしい日本人の方々に積極的に話しかけていただいたお陰で、日本語コミュニケショーン力が徐々に上達できました。私費留学生である私は母国の仕送りがいただけないため、アルバイトをしながら、生活費と学費として自活してきましたが、アルバイト先の店員さんは皆親切でいて下さいました。私は現在、大学院に在学しておりますが、学部時代で奨学金を受給したこともあり、経済的な負担が少なくなったお陰で、自分の勉学に専念でき、無事に大学を卒業することができました。それで、留学生である私にとって、奨学金受給という制度の大切さに気付かせていただきました。

そして、この度双日国際交流財団の奨学生になったことは、私にとって非常に光栄だと思っています。私にとって皆様と様々な交流ができ、大変勉強になる機会だと思います。双日国際交流財団の奨学金には経済面だけでなく、精神面にも支えられるものと私は考えております。それはきっと当たり前のことでなく、様々な方々にご支援いただいたお陰で、今日の私がおります。心より感謝を申し上げたいと思います。

 
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