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Withコロナ時代が生み出す新しいライフスタイル
中国出身/ 2013年10月来日
東北大学大学院 環境科学研究科 博士後期課程1年在学中
趣味:旅行、ピアノ、映画鑑賞
将来の夢:国際機関で働くこと
研究テーマ:汚染土壌からの重金属除去および抽出プロセス
 
 

新型コロナウイルスが世界中を大きく揺るがし、「STAY HOME」、「三密回避」が呼びかけられています。誰も予想していなかったこのwith コロナの時代、人々は皆一生懸命各々の新しいライフスタイルを生み出そうとしています。緊急事態宣言が終わっても第一波よりさらに驚異的な勢いで第二波が襲来し、ワクチンの普及も遥か先のことと想定される中、恐らくこのwith コロナの時代はしばらく続くでしょう。

完全在宅とフレックスタイムの研究生活を二ヵ月ずつ経験した今、私はwith コロナ時代におけるライフスタイルについて考えてみました。

4月からの在宅研究が始まって、私がすぐに感じたのは、テレワーク( リモート/ 在宅ワーク) は人によって、好みが分かれるでしょう。仕事( 研究)と家庭( プライベート)を切り分け、家に仕事を持ち込まない派の人にとっては、仕事環境を整えることはとても大事だと思います。その場合、自宅にいながらもプライベート空間とは区別したスペースを設けたり、大型ディスプレイや快適な椅子などを揃えたりすることで少しでも改善に繋がるかもしれません。一方、通勤(通学)時間がなく、自分で仕事の時間を設定できるなどの理由から、自身の仕事に対する自主性があってオンオフの切り替えを必要としない人にとっては、with コロナ時代が生み出した働き方は生活をより豊かにするでしょう。

私は断然、後者のテレワークを好む派でした。通学時間がなかった分、朝の時間をのんびりと過ごして、日ごとに研究する時間帯を自由に変えて、食後に散歩や買い物に行く日もありました。研究室のゼミや先生への報告・相談は全てweb 会議で行われるため、準備する手間も省け、ゼミの延長や再設定も容易であることから、一日の過ごし方は前と比べてとても効率的で、ストレスフリーになったと感じています。もし将来、完全テレワークが実現したら、都市部から離れて自然環境が豊かな地域に住むことも選択肢の一つだと考えました。都市部と同じ家賃でより広くて快適な家に住むことや、差額でドライブ用の車を購入して休日に出かけるなど、生活の質はずっと高くなるでしょう。会社にとっても、社員が出社する必要がないため交通費の支給をしなくて良いこと、社員が常駐しないためオフィスを狭くして基本経費を削減できることなどの利点があると考えられます。

とはいえ、当然のことながら、テレワークはメリットばかりではないとも考えています。私自身は現在、汚染土壌の浄化の研究をしており、その大前提は実験です。完全在宅期間の二ヵ月間はもちろん登校できなかったため、持ち前の実験データを使って論文の執筆と、今後の研究のための勉強と文献調査をして過ごしました。しかし、それ以上長期的になった場合は、研究自体が成立しないことになってしまいます。このように、研究機関、工場や物流・輸送業にとってはテレワークの普及が厳しいのではないかと考えています。また、機密情報保持などのセキュリティ面や、人事評価などの会社マネジメント面もテレワークの弱点であると思います。今後のテクノロジーの発展によって改善案が見いだせることを期待しています。

新しいライフスタイルの要素は他にもありますが、今回はテレワークを中心に書きました。これまでの歴史を振り返ると、新型コロナウイルスのような世界的感染症の危機は十年に一度ぐらいのスパンで人類に迫ってきています。他にも地球気候変動や自然災害が襲ってくるリスクがますます高まるこの時代に、確実かつ柔軟に働く環境を確保することの重要性が広く共感されているでしょう。感染症の蔓延はもちろん望んでいませんが、Afterコロナの時代のためにも、ぜひ今回の危機を逆手に取って、テレワークなどの制度が推進されていくことを望んでいます。

 
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