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ラーメンの進化、ラーメンとラミョン
韓国出身/ 2012年10月来日
筑波大学大学院 数理物質科学研究科 博士前期課程2年在学中
趣味:旅行、料理
将来の夢:パワーエレクトロニクスの専門家になること
研究テーマ:MgドープGaNの電子スピン共鳴分光評価
 
 

私はラーメンが大好きです。8年前に来日してから、初めてラーメンを食べてみて以来、週に2、3回はラーメン屋に行くほどラーメンが好きです。夏や冬休みになると、いつも日本の国内を旅行しながら必ず旅行先の有名なラーメン屋を調べて行っています。日本のラーメンは、醤油や味噌、鶏ガラ、魚介系などの様々なベースのスープや具材で多様なジャンルがあり、新しい地域や店に行くたびに新しいラーメンが食べられる、進化している食べ物です。最初のラーメンは中国由来の中華そばだったそうですが、今はまったく違うものに進化し、日本人のソウルフードになっています。ラーメンは、アメリカやヨーロッパ、韓国にも輸出され、現地で新たに進化しています。

私は運がよく最初からラーメンに抵抗がありませんでしたが、実は多くの韓国人は、日本のラーメンに最初に接した時、うまく食べられないことが多いです。何度も日本に旅行に来た韓国人たちをガイドしてラーメン屋に連れて行くたびに最も聞いた不満は、「すごくしょっぱく、すごく脂っこい」ということでした。特に、「韓国式インスタントラーメン」だけを食べたことのある人たちは思っていた味と全く違って大変戸惑っていました。これはラーメンが韓国でまったく異なる形態へと進化して、ラーメンに対する認識や食文化が、日本と韓国で大きく異なっているからです。

韓国ではラーメンはラミョンと呼ばれます。ラーメンの韓国語発音で、日本のラーメンから由来したものです。しかし、「料理としてのラーメン」を意味する日本と違い、韓国でのラミョンはインスタントラーメンを指します。日本ではラーメンという料理がまずあり、次にインスタントラーメンが生まれたが、ラーメンという料理がなかった韓国では、最初に日本のインスタントラーメンから導入されたからです。韓国最初のラーメンは「サムヤンラーメン」で、日本の食品企業から技術提供を受けて1963年に発売されました。当時貧しかった韓国では米の不足を解決するため、政府からインスタントラーメンのような小麦粉の食べ物を積極的に支援して、ラーメンに対する認識が大変変わりました。辛くてあっさりした味が好みの韓国人に合わせて進化し、今は韓国人は世界で一番多くのラーメンを消費しています。インスタントですが、日本のラーメンが韓国で成功的に進化したことです。

最近は「料理としてのラーメン」も韓国に導入されています。この場合は、ラミョンではなくラーメンと呼ばれます。私が留学の途中、兵役で韓国で2年間生活しているとき、日本のラーメンがとても食べたくて韓国にある日本のラーメン屋を調べたことがあります。来日の前には、日本食の店でサイドメニューとして売っていたラーメンが、最近の日本食の流行に伴って専門のラーメン屋で売られています。日本のラーメンをできるだけ同じようにコピーしようとするラーメン屋もありますが、韓国で進化したラミョンと同様に、韓国のラーメン屋も進化しています。私が行ったことのあるソウル江南(カンナム)の有名ラーメン屋では、韓国人にも好かれるように担々麺を再解析し、人気を集めていました。日本で一度も食べたことない味でした。「韓国式」日本ラーメンでした。

ラーメンは、「必ずこうやって料理しろ」という概念がありません。だからこそ進化し続けています。韓国のラミョンのように、ラーメンは「日本食」の枠を越えて、世界各国の食文化を盛り込んだ料理へと進化していくと思います。

 
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