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奨学生エッセイ
 
 
 
コロナの相対性
ウクライナ出身/ 2013年10月来日
東京大学大学院 理学系研究科 修士課程2年在学中
趣味:旅行、好きな人と時間を過ごすこと
将来の夢:良い人になること
研究テーマ:ニューロンの軸索の再構成に関わる因子の探索
 
 

テーマは自由と言われたら自分が書きたいエッセイが書けるとともに自分が書きたいテーマを決めないといけない。自分の研究や趣味だったらほとんどの人が興味を持たないだろうと思ったから、誰もが興味持ちそうなコロナについて書くことにした。コロナ自体というよりも、コロナの騒ぎを体験して自分が思ったことを紹介しようと思った。

日本でのコロナの初確認が1月16日で、コロナとの共存が始まってから半年以上たった。他国に比べて患者数が低いとはいえ、陽性の人の数が毎日増えている。もはやワクチンが完成されないとその増加を抑えられないだろう。緊急事態宣言が発令されて以来、多くの人の日常が変わってしまった。マスクや手指消毒、テレワークやソーシャルディスタンシングなどの言葉が今年の流行りになってしまった。

ここで自分が考えてみたいのは、コロナの影響を強く受けた人について。コロナに感染した方を除いて、社会の在り方が変わったため強く影響を受けた人は誰だろう? 感染の危険性が高いお年寄り、医療現場で戦っている医療スタッフや研究者、客が減ってつぶれそうになっている会社などのように強い影響を受けた者がたくさんいるだろう。その中でも、一番強い影響を受けているのは子供だと思う。経済的な責任もなく感染する可能性も低いからこの考えが変かもしれないが、コロナとの期間が子供たちにとってどれほど長かったかを考えて見てほしい。

時間の感じ方は年次第で変わってくるのはご存じでしょうか?年を取り、周りの世界が見慣れたものになってくると脳内に取り込まれ処理される情報の量が減ってしまい、時間が速く過ぎてしまうと感じるようになる。お年寄りにとってあっという間に過ぎてしまう一日が子供にとってなんでもできそうな長い期間に見えてしまう。

このようにコロナとの共存期間を長く感じている子供に、この半年で一体どのような影響があっただろう? ソーシャルディスタンシングで他人と対面する機会が減ってしまい、地方に住んでいる親戚にもしばらくの間会えなくなってしまった。卒業式も始業式も、一生のうちに記憶に残るイベントにも参加できなかった。授業自体の形も変わり、画面越しで行われるようになった。

そのなかで一番大きな影響を与えているのは、コロナに対する社会全体の態度である。昔のパンデミックと比べてもコロナの社会への影響は大きい。去年に比べて、ほとんどの人の日常が大きく変わってしまった。成長中の子供にとってその変化がさらに激しい。成長の過程でその人が育った環境次第でその人の価値観が形成される。子供の時に飢餓を体験した人が食べ物をより大切にするようになると同様に、パンデミックを体験した子供たちの価値観にもなにかの変化が起きるだろう。それがどのような変化になるのかは大人次第である。

コロナと共存する中で、それぞれの態度や行動が重要である。親戚に会いに行くかどうか、夜は遊びに行くかどうか、外出するときマスクをするかどうかの選択肢がこれからのコロナの感染傾向だけではなく、病気に対する多くの子供の態度にも影響を与えるのを忘れないでほしい。コロナが終わっても残り続ける病気があるから。

 
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