ホーム サイトマップ
ホーム 財団案内 財団ニュース 助成案内 よくあるご質問 お問合せ
助成案内
助成事業について
助成実績
助成募集要項
奨学生エッセイ
2021年度
2020年度
2019年度
2018年度
2017年度
2016年度
2015年度
2014年度
2013年度
2012年度
2011年度
2010年度
2009年度
2008年度
2007年度
2006年度
 
奨学生エッセイ
 
 
 
宗教とは
インドネシア出身/2015年10月来日
九州大学大学院 人文科学府 広人文学コース 博士1年在学中
趣味:読書、ゲーム、映画鑑賞
将来の夢:大学で教える、研究者
研究テーマ:アニメ聖地巡礼
 
 

私の専門は日本宗教です。正確にいうと現代宗教とポップカルチャーの関係性。日本語で宗教と言ってもパッと来ない人が多いと思います。もしくはキリスト教やイスラム教、また何かの宗教教団が思い浮かぶのでしょう。お祭り、お守り、お参り等々を聞いたらそれらを宗教と思う人は少ないと思います。実は宗教という言葉はとても複雑で様々な意味合いが存在しています。もちろん個人の考えもあるし正しいか間違いかは存在しません。また“宗教”という概念もどの文化でもどの国でも同じ意味を持っているというわけではありません。

私の国、インドネシアでは宗教というものはとても大きな存在です。国民の一人一人が必ず国が指定している五つの宗教の中の一つに属さないといけません。それを証明するために身分証明書に自分の宗教は必ず登録してあります。また結婚するときも宗教の儀式を挙げる必要があり、それをしないと国が結婚を認めません。このようにインドネシアでは宗教というのは属するグループの一部になるという意味が強いです。

アメリカでは宗教というのはまた違う意味を持っています。インドネシアみたいに“所属”という意味ではなく個人的な信仰という意味が強いです。登録する必要もないし儀式もそこまで重要ではありません。大事なのは自分が信じていること、というのが基本的なアメリカでの宗教の意識です。

それでは日本ではどうでしょうか。もちろん様々な意見があると思いますが、自分の研究を通して日本では宗教というのは“身近なもの”だと思います。私の研究はアニメ聖地巡礼です。あまりにも人気な言葉で耳にすることはあると思いますが聖地巡礼のもとの意味は英語でいう“pilgrimage”です。日本では四国遍路、海外だとスペインのサンティアゴ・デ・コンポステラが挙げられるでしょう。聖なる所を訪れるまたは巡るという意味ではアニメ聖地巡礼でも四国遍路でもサンティアゴ巡礼でも同じだと思います。もちろんアニメに限らず自分にとって大事なところは聖地になれるのでどこでも聖地になる可能性はあります。受験や縁結びのためにお参りする、占い、お祭り等々のようなとても日常的なものでもアメリカやインドネシア人からすればとても不思議でなりません。“宗教”の意味が違うので日本では日常的なものでも海外の人からすれば違う解釈が出来るということはとても面白いと思います。

もちろんこれは宗教に限らずどんなことでも同じです。自分にとって普通なものであっても他の人にとってはとても不思議なものかもしれませんし、その逆も然り。他の人たちの考えを理解するにはまず文化から始めなければなりません。特に身近なもの、普通なものを話し合うことでより理解を深めることが大事だと思います。私も今まで様々な出身の人達と出会い、友達になり、沢山話し、様々なことを学びました。双日を通してこれからもまた新しい出会い、新しい友達に会うことを楽しみにしています。

 
| 次のエッセイ
 
ページのトップへ
   
ご利用条件 個人情報保護について Copyright (c) 2003- Sojitz Foundation. All rights reserved.