ホーム サイトマップ
ホーム 財団案内 財団ニュース 助成案内 よくあるご質問 お問合せ
助成案内
助成事業について
助成実績
助成募集要項
奨学生エッセイ
2022年度
2021年度
2020年度
2019年度
2018年度
2017年度
2016年度
2015年度
2014年度
2013年度
2012年度
2011年度
2010年度
2009年度
2008年度
2007年度
2006年度
 
奨学生エッセイ
 
 
 
コミュニケーションを取らない者は人間じゃない
インドネシア出身/2017年9月来日
岡山大学大学院 社会文化科学研究科 修士2年在学中
趣味:アート
将来の夢:日本市場で新事業展開や創出をすること
研究テーマ: Cross-Cultural Communication Problems between Indonesian Workers and Japanese Leaders in the Working Environment
 
 

この大学院の2 年間の中で、私は「コミュニケーションは他人と対話することで人生を楽しめる」ということを学びました。どういう意味か? 誰もがスマートフォンやラップトップ、コンピューターを所有するこの超デジタル化時代、私たち無意識のうちに多くのデジタルコンテンツを消費していることがわかります。朝起きたらソーシャルメディアを開き、朝食中にメッセージをチェックし、さらに悪いことに、家族の前で朝食を食べながらスマホを手にするのです! 私もまた、その罪を犯しています! 岡山大学に入学して3 年目のとき、学生食堂で昼食を食べようとしていました。遠くからスマートフォンの動画を見ながらお弁当を食べている学生を見かけました! 2019 年だったのですが、初めて見たときは衝撃的でした。「なぜ、あの人はスマートフォンを使いながらご飯を食べるのだろう」と思いました。「食事を楽しんでいないのだろうか」と。この時期、私のスマホは最新ではなく、動画をスムーズに再生するのがやっとでした。アプリケーションを1つ、2つ開くだけでも、強制終了してしまうほどでした。だからこそ、その動作を真似しようとは思いませんでした。早いもので2019年の年末になり、良い意味でも悪い意味でも状況が変わり始めました。新しいスマートフォンを購入したのです。それは私の人生における最高で最悪の決断のひとつでした。良かったのは、エラーなく使えて、スムーズにコミュニケーションが取れるようになったことです。一方、コロナウイルスの大流行が始まったばかりで、SNSのコンテンツを乱読して時間を浪費することもありました。そして何より、日常生活での意識が薄れてしまいました。

このときから、自分と自分との戦いが始まった。パンデミックが始まったとき、多くの人が自宅待機を余儀なくされました。その頃から、対面でのコミュニケーションが制限されるようになりました。パンデミック以前は、学内の不特定多数の人と話すことが日課のひとつでした。また、当時はLINEというスマホアプリにてメッセージするスキルも今ほど洗練されてはいませんでした。それで、どうだったのですか? 隔離された期間は地獄でした。マスクなしではほとんど話せず、常にマスクをしていなければならなかったので、普通の会話をするのも、相手の話を理解するのも、さらに難しくなりました。それからは、親しい友人にはLINEでメッセージを送ることにしました。LINEは2014 年の中学生時代から使っています。自分に一番近い連絡先を探すようになりました。LINE のアカウントは400 個を突破していたのです。私は昔から人のLINEの連絡先を聞いていたのです。始まりは順調だった。話も弾むし、チャットもする。でも、会話の途中で何を話していいのかわからなくなったり、話すことがなくなってしまいそうになったり。テキストで長い会話をすることに慣れていなかったため、それがつらかったのです。でも、小学校の友達、高校の友達、そして今の大学の同級生とは、まだつながっていました。コロナウイルスの安全対策をしながら、何人かと一緒に外で遊んだりしました。LINEでのつながりを維持するための努力が報われました!

さて、2020 年9月といえば、私は学士号の最終学年の研究を始める時期です。私は友人と連絡を取るためにスマートフォンを使う時間が少なくなってきました。私は実験の日と、夏休みに岡山にあるドラッグストアで新しいアルバイトをする予定を立てました。良い点は、店長や同僚、お客さんといつでもコミュニケーションが取れることです。

しかし、その後、学期中は研究に集中するようになりました。その上、研究の忙しさがピークに達したときに、インドネシア委員会のリーダーに選ばれてしまった。ただ、その選択は間違っていたことに気づきました。なぜか? だって、研究室では週5日、1日12 時間、週に2 回のゼミがあるのですよ。その上、週末はアルバイトで、休みを取る時間も作れない。

私はストレスを感じていた。疲れ果てていました。私は圧倒されていた。いつ、どうやって休憩を取ればいいのかわかりませんでした。息抜きの方法は、仕事がすべて終わった後、毎晩オンラインコンテンツを見てスナックを食べることくらいしか思いつきませんでした。研究するために学校に行くのが楽しみになったことは一度もありません。しかも、私の学校での研究は、当時はほとんどうまくいきませんでした。一番嫌だったのは、私は外国人で、学内の先輩はほとんど日本人だったので、コミュニケーションや文化のギャップを感じました。そのとき、自分はうまくやれないと思ったのです。ほとんど誰とも話しません。最終的にうまくいかないことばかりでした。

すると、状況が好転してきたのです! 家族とも頻繁に連絡を取るようになりました。また、大学やインドネシアの友人とも連絡を取るようになりました。さらに目標を立て、それを達成することで、日々の生活も充実していきました。頑張った後は、1年間の研究を終えるために、一緒に外出したり、休暇をとったりしました。そして、私はついに岡山大学を学士号で卒業しました。

その後、同じ年の10月に、すぐに岡山大学院のビジネススクール(MBA)に入学しました。休みがないような気がしました。それでも、また勉強するのが楽しみでした!

しかし、また新たな悩みが出てくる。私はアルバイトで貯めた貯金をすべてMBAの入学金に充てていたのです。それからは、アルバイトのシフトを増やすことにしました。1日6 〜8 時間の勉強に、週4回のアルバイトが加わるという仕事量の多さに、私はまた燃え尽き始めてしまったのです。そこで、日本への留学をサポートする奨学金を探し始めました。ちょうど2022年4月、偶然にも双日財団の奨学金の情報を見つけました。すぐに応募し、双日財団が私を奨学生として受け入れてくださいました。この機会を与えて下さったことに、私は感謝し続けます。この財団のおかげで、私はこの旅の中で、優れた役員、スタッフ、そして世界中の留学生に会うことができました。岡山大学を卒業した後も、この機会に感謝しています。


様々な国から来た双日財団奨学生との交流(2022年9月)

 
| 次のエッセイ
 
ページのトップへ
   
ご利用条件 個人情報保護について Copyright (c) 2003- Sojitz Foundation. All rights reserved.