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静かな日本生活
韓国出身/2020年12月来日
神戸大学 国際人間科学部 発達コミュニティ学科 4年在学中
趣味:アニメ鑑賞
将来の夢:模索中
研究テーマ:哲学の視点から今を生きることについて考える
 
 

今年で大学4年生になりますが、新型コロナウイルス感染症の発生のため、大学1年生の時は渡日できず、どこかで物足りなさを感じる二年半の日本生活が続いている今ごろです。すべてを新型コロナウイルス感染症に擦ることは幼稚かもしれませんが、もともと内向的な性格に加えて一年をタイムスリップしたため、大学2年生になってからドキドキの気持ちで大学デビューしても残るのは激浪になれない水波でしかなかったです。

それでも、日本での留学生活は総じて豊かでした。来日早々にラーメン屋で働いて、おいしい賄いを毎日食べながら店長からは大人としてのすばらしさを学ぶことができました。仕事に関して極めてややこしい日本の文化でも愉快に受け入れさせる店長を見て、私も店長のような大人になりたいと思いました。一方で、対面で授業を受けたことがほぼなかったため、大学のキャンパスに特別な愛情を感じることもなかったです。それにもかかわらず、冷たいモニターを越えて素敵なパーソナリティを見せてくれた先生のおかげで、大学生としての日々も面白く感じることがしばしばありました。

忙しいバイト生活は一年間続いて終わりを迎え、そのあとの時間はほとんど一人で過ごしました。苦痛に感じることもありましたが、一人の時間のおかげもあって、私自身について深く見つめ直すことができました。今になっても「私はこういう人間だ」とはっきり定義することはできないですが、自分が分からないことをまず知れたことが最初の一歩だと考えると、収穫がないわけでもないです。「我」を知る過程は単調で、煩悩にまみれる孤独な道ですが、今の研究テーマになれたから良いことだと言えるでしょう。この観点からみると、コロナ禍によって期待していた彩りのアオハルは散々になりましたが、一度止まって今までの人生を見返す機会を与えてくれたことから、悪いことばかりではないと言えるでしょう。

続いて、ここからは日本に留学してきて良かったと思うことについて記述していきたいと思います。まず、日本に留学してきて一番よかったことは劇場版のアニメ映画を早く見られることです。日本アニメのビッグファンとして、日本国内で上映されるアニメ映画を自国ではいつも数カ月を待たないと見られないですが、日本国内にいると、映画が上映される当日に映画館に行って映画が見られるため、私にとってはとてもワクワクするイベントです。そして、神戸はパンが有名であるため、種類豊富なパンとデザートが食べられてハッピーです。糖分を摂取しすぎて体重が一気に上がったことに対して悔しくて仕方ないですが、糖分は人の情緒調節に役立つために諦めるわけがないです。また、服好きの私にとって日本の古着屋は魅力にあふれるスポットです。個人営業の古着屋はなおさら素敵で、思わぬ場所で古着屋の店に遭遇したりすると、宝探しのようで時々のサプライズを我が手で発見する楽しさがたまらないです。

日本での留学生活を一本の映画に例えると、メインの出場人物は私一人で全部で、セリフもほぼないですが、「静かで心地良い映画だった」と幕を閉じたいと思っています。


穏やか

 
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