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日本の印象〜現代と伝統が調和する先進国
ベトナム出身。2006年来日。
東京工業大学総合理工学研究科環境理工学創造専攻修士課程1年在学中。
研究テーマは粒度分布データを用いて底泥の輸送範囲の新たな推定手法の検討。
趣味は海外旅行、スポーツ。
 
 

私がベトナムから日本に来たのは2006年4月で、あっという間に2年以上も経った。今振り返ると、本当に悲しいことや辛いことと共に楽しいことや嬉しいことなどさまざまな思い出があり、ここで記憶の中に特に印象が強かったものだけを述べたいと思う。

ベトナムでは、鉄道システムは日本ほど発展していなくて、南部から北部までの路線がひとつしかない。一般的な交通機関はバイクである。私でもベトナムの電車に乗ったことがないが、成田空港に到着したら、電車に乗り始めた。びっくりするほど、日本の鉄道システムが発展している。電車に乗れば、いつでもどこへも行けるぐらい豊富で便利だと思う。さらに、人身事故、電車の故障など以外では、日本の電車の時刻がとても正確である。1秒ぐらい遅れても、次の電車に乗らなければならないことがある。また、降りる人を待ってから、電車に乗るというマナーは日本にしかないらしいのである。

日本に来て最初に住んでいたのは、千葉であった。きれいだし、東京より静かで物価もあまり高くないし、とてもいい町であった。それにしても、千葉駅から電車に乗ると45分の後、東京駅に着ける。それで、休みのとき、東京に観光に行った。来日する前にはほとんど想像もできなかったが、首都圏には超高層ビルが並んでいる中、小さい店から大きいデパートまでいろんな店があり、そして道路の端から端まで朝から夜まで何よりも歩いている人、待っている人、観光に来た人で混んでいてとてもにぎやかである。新宿、秋葉原、渋谷などを代表として本当に活気に満ちた街だと思う。しかし、駅からちょっと離れたら、雰囲気が閑静になり、平穏な生活が送られ、まるでベトナムの田舎のようである。日本の真実の調子は駅周辺にしか見られないと思う。

日本はカードの社会だと知られている。ある日本人の財布の中身を見たところ、キャッシュカードからポイントカードまでさまざまな100枚ぐらいが入っていた。カードがあれば、お金をあまり持っていなくても買い物や食事などが楽しめる。とても安全だし、便利だと思う。やはり日本に来なければ、日本が世界で高い生活基準であることを実感できない。

現代的な生活の一方で、日本はたくさん伝統的な風俗習慣を保っている。例えば、茶道や生け花や花見や相撲などが挙げられる。お盆祭りで花火を見に行ったことがある。その日、日本人たちは浴衣の格好で花火を見ながら拍手で感激していた。日本の花火は本当に素晴らしいものだと思う。一年中日本には祝日やお祭りなどが数えきれないぐらい多く、日本人の精神的な生活が世界で豊かだと思われる。

日本語学校を卒業し、東京工業大学に入学することになったので横浜に引っ越した。修士課程に入る前に、研究生として在籍していた。ベトナムでは、大学で研究生というのはなく、日本の大学で研究生として何をやるか最初は分からなかった。日本での研究生というのは、外国人しかいないと思う。今、振り返ると、6ヶ月の研究生としての入学時期は無駄にならなかった。そのとき、大学院入学試験を復習したり研究室での流れを勉強したりした。そして、去年10月修士課程という正規過程に入学することができた。毎日授業がなくても、研究室に通っている。ベトナムでの大学は指導教官と研究室というのはなく、学生たちは授業の時間以外は、自宅や教室などで自習し、研究することが多い。それに対して、日本の大学では、学生居室という研究室が設けられ、指導教員の下で学習したり研究を進めたり共同の勉強となっている。それにしても、日本の大学院は結構人数が多く、それぞれの研究テーマも違い、指導教官である教授との情報共有の時間が限られているため、基本的に大きな問題がなければ責任を持って自由に研究を進めるというイメージがある。その面では日本の大学院生がより自立性を持っていると言えるかもしれない。また、ベトナムの大学は企業とのつながりがまだ弱く、企業と共同研究あるいは共同開発のようなプロジェクトは実に少ない。その反面、日本の大学院ではそのような機会が多く、学生にとってはとても勉強のチャンスになり、その後の就職にも非常に役に立つと思う。

2年以上日本に住み、日本は人が住める面積が狭く、地震、台風、津波といった天災があるにもかかわらず、自然に本当に恵まれていることと、国民がよく頑張って豊かな生活を送っていることに感心した。

現在、東京工業大学で修士1年生として在籍している。この先、まだ長い道のりだと思うが、これからも日本での生活を楽しく送り、将来、社会に役に立つ人物になるため勉強と研究に一生懸命頑張りたいと思っている。

 
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