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それぞれの世界をつなぐ人を目指す
韓国出身/2006年3月来日
上智大学 文学部新聞学科 4年在学中
趣味:National Geographicの写真を見ること、クラシック音楽鑑賞
将来の夢:ジャーナリスト。特に、文化とコンテンツを通じて国と国、弱者と社会を繋ぐことを実現し、それを伝える人になりたい
 
 

子供の頃は、誰もが同じように様々な夢を持つ。「将来の夢はなんですか」と聞かれると、やりたい事が多くてなかなか答えられない時期もあり、一度何かを将来の夢として決めておいても、他のものにすぐ変えてしまうのが普通であるかもしれない。

私もそうだった。小さい頃は、少なくても10ぐらいにもなる職業を自分の将来の夢や目標として決めていた。が、いつも答えは同じであった。「世界を舞台に活躍するピアニストになりたい」、「世界の人々を救える発明家になりたい」、「世界を繋げる外交官になりたい」など、必ず「世界」というのを前提において言っていたのだ。当時は小さかったが、興味を持っていたのも同様で、「他の国の人々はどう生活しているのか」、「韓国とは何が、どう違うのか」と考えたり、調べてばかりいた。

さらに、私の両親にも「自分の目の前に見えているものよりも広く考えるのだ」と、いつも教わっていたため、「世界の様子」だけではなく、身近な周りのことについてもより広く見て考えようとしていた。それで周りや社会、さらに世界のことまで幅広く関心を持つ習慣のようなものを自然と身につけてきたかもしれない。

また、世界を舞台とする将来の夢というものを叶えるためには、もちろん他国の違う人々とうまく交わることが大事だと思った。そこで両者間におき、何か共通することや共感できることを探すのが先だと考えたが、それは非常に大変であることが分かったのだ。世界は、自分が暮らしている社会や国とは大きく違い、共感を持たせることがあるどころか、一から十まで異なっているようだ。

が、私はその違いから二つの悟りを得た。その一つは、その違いを「多様性」で見ることである。環境や歴史などにより、集団や民族、また国ごとの生活のやり方ができた。つまり、それぞれの文化が違うのは当然であるということだ。最も簡単に挙げられるのが、「国によって家の中に靴を履いたままで入れるかどうか」ということからテーブル・マナーなど、我々が「文化」だと普通に言えることである。

しかし、それらを「文化の多様性」と理解するのは比較的によくできる簡単なことかもしれない。昔から環境に合わせて形成された文化であることはすぐ分かるからだ。一方、大変なことは、社会のシステム上にできた文化である。先に挙げたこととは違い、自分や自国のある基準で「良い、または正しい」と「悪い、または間違っている」と自由に判断できるからである。

例えば、日本のいわゆる「マニュアル・システム」は、他国の人にとって十分に理解し、それにきちんと従うまでには、少し難しいところもあった。手順に厳しく従うことに対しては、「仕事がのろい」と感じたりしていたが、それは結局「よくできた結果」を出すためであることが後で分かった。実際に、結果重視のシステムで急いだり、手順を無視する傾向もあるところに比べると、ミスが生じる可能性も低い、非常に安定したシステムであるのだ。

つまり、どのような基準でも良さ悪さが判断できることまで、ある「多様性」だと理解すると、自分自身はもちろん、更に自分が暮らしている社会・国のことについて考察できるということだ。

国それぞれの違いから分かったもう一つのことは、必ず「間違えているところもある」ということである。水や電気などが自由に使えないところ、貧困の中で三食どころか一食もきちんとできない国もあるのだ。さらには、人間の意志で決められない「血統(民族など)」や「(特に女性といった)性別」を持って生まれたことで、自由に生活できないところもある。それは、我々が普通だと、また当然だと思っていたことができないだけではなく、同じ人間として生まれてできないことがある、つまり尊重されないところもあるということだ。

世界中にあるそれぞれの違いをよく分かり、区別する能力を身につけ、多様性を通してはより多くのことを理解したり教わる。また、間違っているところに対してはいつも問題意識を持つことが最も必要だと思う。

私がメディアを勉強しようと決めたのも、世の中の全てのことを扱うものだということもあったが、それぞれ異なる世界を見たり、上に挙げた互いの共感や共通点を探すに何よりも強い力を持っているものだと分かっていたからだ。

そのように、小さい時から考えてきたことや悟り、また留学中の経験や勉強したことを全て活かし、世界を繋ぐ仕事に貢献できる人になりたい。

 
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