日本に来たのは2009年4月2日でした。私の母国はウガンダです。ウガンダは東アフリカに位置し、赤道直下の国です。今、私にとって日本は第二の故郷という気持ちです。来日の際、春の季節でウガンダ人の私にとっては非常に寒かったのを覚えています。ウガンダでは乾季と雨季の季節しかないということから日本の春は骨まで染み渡る寒さでした。それに重ね海外にいるという緊張感で遊びに出掛けるというのはできませんでした。言葉も知らず、読めず、私の知り合いの中にも数日間、ご飯がのどを通らなかった人がいました。日本に来て二週間たったころにいろいろな国からの留学生の先輩たちが寮に来てくれて、花見にも誘ってくれました。大阪城を歩き回り、初めて電車に乗り心斎橋へ食べ放題に行きました。来たばかりの留学生である私達は先輩たちが来てくれたおかげで遊びにも出掛けることができました。その困っていた私達を迎えてくれた先輩たちは何とありがたいことかと思いました。
出掛けた時にほとんどの物は初めて見る物でしたが、その中で一番驚いたのは花見です。自分にとっては寒いと感じる季節でしたが、日本の多くの家族がその寒空の下で座って花見を楽しんでいる姿が自分にとって「不思議!」に感じました。その寒さの中で何をお祝いしているのかについて考えていました。
しかし一年を日本語学校で過ごして日本の文化と日本事情を習い、季節を祝う心を理解できました。季節の流れを経験し、自然に私の心もその波に乗りました。日本語を勉強している中、夏が去り秋が去り、冬に入りました。冬には近所のお祭り以外は部屋の中で過ごした日々がほとんどでした。特に福井で過ごした冬は、暑い国から来た自分にとってだけではなく日本人にとっても大変な季節だったように思います。雪雲に覆われた空が晴れるのを待ち遠しく感じる季節でした。
そして春になったとき、自然に出掛けたい気持ちになりました。その翌年初めて気がついたことは、最初に出会った春の寒さにとらわれて春の美しさを見逃していた、ということです。爽やかで優しく咲いている桜の下で今家族のようになった友達と一緒にゆっくりしたくなります。しばらくすると卒業になり、入学になる時期です。やはり出会いもあれば、お別れもあるこの時期になると感謝の気持ちで祝う気持ちになります。寂しい思いではなくて、ただ「ありがとう」という気持ちです。例えば迎えてくれた先輩たち、応援をし続けてくれる先生たち、冬にいてくれた友人と一緒に過ごしたくなります。
今は春という季節は大好きです。心が生まれ変わるような季節です。桜が咲いたら、まるで朝が来たように感じます。桜は全てのものに元気をくれるようなイメージです。例えば2012年福井フェスタを見に行きましたが、福井市では沢山の市民が一つになり伝統的な衣装を着てパレードで福井市を練り歩きます。丁度桜が咲いている期間に行い、町がきれいで市全体に元気を贈っているのです。今までの春の行事の中で一番印象的なのは福井フェスタです。この時期の感謝の気持ちを市民全体が分かち合っているからです。日本で一番幸せな県に福井県が選ばれたことにも関わっているのではないかと思います。だから外国人の私からすると日本の季節は心を豊かにするのです。その中では春が中心になるのではないかと感じています。 |