今月(7月)末、日常生活にかかる一番驚いた話題になっているのは期限切れ鶏肉でしょう。中国上海市の食品会社「上海福喜食品」が使用期限切れの食肉を使用して、ファストフード会社などに提供していたと言われています。それだけでなく、日本のマクドナルドとファミリーマートの食肉も、二割が上海の同社から輸入していると報道されています。
うそ! 僕が長年日本に住んでいて、一人暮らしだった頃は、よくマクドナルドを食べに行っていました。今から考えると、これも恐ろしいでしょう。なぜかというと、その生産工場では、使用期限を7ヶ月過ぎたステーキ肉が青く変色していても従業員に細かくカットされて包装され、袋に記した新たな使用期限は1年後になっているのは、不思議でしょう。こんなニュースが出たら、「外資系16大手ファストフード店なら食の安心・安全は確保されている」との日中両国の消費者の幻想を打ち砕いたのではないでしょうか。従業員となって潜入取材した上海テレビ局記者が暴いたのは、利益追求を優先した組織的な規範意識の欠如と、隠蔽体制が蔓延した食の現場の実態であるとは言えるでしょう。
世の中の人々にとって、夢を求めるもいいし、平凡な人生を送るもいいし、それを根本的に維持するのは食生活でしょう。食事をして、栄養を取ることこそ、丈夫な体をつくれるでしょう。体が丈夫になってから、仕事とか、研究とか、続けられるわけです。もし食べ物が危なかったら、国民全体には悪い影響が必ず出てくると思います。
それと比べて、僕が住んでいる京都は、まったく異なる状況を呈しています。去年、富士山が世界文化遺産に登録された後、日本が提案していた「和食 日本人の伝統的な食文化」が無形文化遺産に正式登録されました。和食には日本人が大切にしてきた心、多くの知恵が詰まっています。今回の無形文化遺産登録は、日本の食文化の価値が世界に認められたことを意味すると思います。特に、京都の宇治茶や伏見の日本酒も評価されています。昔成功した関西財界人の夢として「大阪で儲け、神戸に住んで、京都で遊ぶ」を合言葉に仕事に励んだといいます。この「京都で遊ぶ」との意味は、「祇園で芸者を呼んで、京料理を楽しむ」ことらしいです。僕も常に友達を連れて、京都の金閣寺とか清水寺とかを案内してから、河原町や祇園辺りで、鴨川の風景を見ながら、おいしい京料理を食べに行っています。和食は新鮮な食材だけでなく、うつわとの調和も気持ちよくなれます。しかも、京都の郊外には、この地域のみで栽培された固有の京野菜の存在が大きいです。ということで、京都に住んでいるのは本当に幸せでしょう。
中国人として、もちろん自分の国の食生活にもよく関心を持っています。中国の食問題はよく報道されていますが、逆にこれはよいことではないかと思っています。なぜなら、問題が暴かれたので、改善が進むでしょう。これからも、特に中国政府には慎重に自分の国の人々を守ってほしいです。 |