私は、北海道大学大学院環境科学院2年生の学生です。モンゴルを離れて環境問題の先進地で勉強をし、日本の多くの方々のご支援を頂き精一杯の努力と、母国モンゴルの発展に寄与できるように、また私の一度しかない人生を悔いのないように過ごそうと日々自分に言い聞かせております。
ここで、今日に至るまでの経過を少し述べようと思います。
初めて日本に来たのは、4才の頃、幼い時でしたが粗記憶に残っています。特にデパートで迷子になり、ボロボロになるまで泣いていたことが、今でも忘れられません。あの頃から私は日本の発展や文化習慣そして優しい国民性に憧れ、また是非行きたいという夢を幼心ではありましたが強く持つようになりました。
私が大学生の時に日本行きの夢が叶い、秋田県国際教養大学での交換留学生として1年間勉強することができました。その間に日本語や日本の歴史文化を体と心で勉強することができ、日本人とのお付き合いも深くなりました。日本について知れば知るほど憧れの気持ちが一層高まり、この国から教わりたいことがたくさんあることを再確認しました。
再び夢が叶い、北海道大学の環境科学院大学院に入学が叶いました。留学と同時にアルバイトをして生活することは、私にとってはとても大変なことであります。学費と生活費等を賄うためにどうしても研究時間を削っていかなければなりません。父が早く亡くなり母からの仕送りはとても無理な状態でした。自分の選択した専攻での研究を続け、決めた目的を達成するためには、自分で努力と我慢する方法しかありませんでした。
最近の2年間、合計14ヵ所のアルバイトで学費と生活費を賄ってきました。ほとんどが英語教師の仕事で、研究とアルバイトを両立させるのはとても大変なことであり、研究そしてアルバイトと体調管理の時間配分には一番苦労しています。
留学中にとても多くの日本人に優しく接していただき、たくさんの知人友人ができたことも、私の財産となっています。今、家族と離れ一人暮らしをしている留学生の私に勇気を与え、いつも温かい言葉で支えて頂いています。
北海道大学で初めてノーベル賞を鈴木明教授が受賞した時に入学できたことは、喜びと大きな希望、そして大きな目標が決まりました。
母国のモンゴルでのゴミ問題は、早急に解決しなければいけない大きな問題の一つであります。自然だけではなく、衛生環境上でも国民の健康に多大な悪影響を及ぼしています。リサイクルが十分行われていない現状が、国の経済に大きな再利用可能資源損失と環境破壊に加えてゴミで生活をしている人々や、日中ゴミ置き場で過ごす子供や高齢者が年ごとに増え続けています。
私がゴミ問題を研究している大きな目的は、社会、経済、公共など様々な面で環境、健康、経済成長の政策を取り入れ、ゴミで生活をされている方々の健康や人権を守り、廃棄物再使用を母国の将来のために実行することです。
私が博士課程での継続研究により、母国の発展に微力ではありますが貢献を決意すると共に、日本とモンゴルの環境問題等の解決の架け橋になり、両国の関係をますます発展させていきたいからであります。
私は人との出会いをとても大事にしています。日本の友達がたくさんできたことを誇りに思っています。目的を達成することが、お世話になった皆様への答礼と思っています。
この度、御財団の奨学金に合格できたおかげで研究に集中することが叶い、とても嬉しく幸せに思っています。私は皆様の信頼を失わないように頑張っていくことを決意し、努力を惜しまず、夢、そして目的を達成するために大きなお力添えを頂いた双日財団様に心より感謝申し上げます。ありがとうございました。 |