修士2年生になってから自分の研究結果を研究室のゼミナールと研究発表会で報告することが多くなりました。はじめの頃は研究背景も、目的も、結果もちゃんと書いていましたし、考察もずれていなかったのですが、プレゼンをしたら、「プレゼン終了後に全然わからない」、「スライドがごちゃごちゃしている」、「それで、何が言いたいのですか?」などなどいわれました。その時に発表は失敗しましたと思っていましたが、何が悪いのか当時は全く思い浮かびませんでした。それで教授に相談したら、もっとスライドを考えなさいと言われました。14から16枚のスライドに研究をまとめて、12分のプレゼンで自分の研究成果をわかりやすく説明できたら成功とのことです。これができたら研究の科学的妥当性を検討論議することができるといわれました。それでスライドの作成に工夫を入れました。いろいろ調べてから、前のプレゼンの問題点がわかりました。今見たら、笑ってしまうぐらいのプレゼンを作っていました。たとえば、思いつくままの順序でスライドを並べる、目立たせようと何もしない、文章を書き込んだ“字だらけ”のスライドを使う、一枚のスライド内に情報をとにかくいっぱい載せるというプレゼンで損することをしていました。
研究発表では、必ずしも自分の研究テーマに精通している人が聴講者ではありませんので、なるべく自分の伝えたいことをはっきりわかりやすく説明することが大事です。100人いれば100種類のプレゼンがあるのですが、どうすれば聴講者の脳に複雑な情報を処理させないスライドができるだろうと考えながらスライドを作ると一番いいかもしれません。言い換えるとスライドデザインで相手の検索時間を短くする、理解に要する時間を短縮化することです。いまだに私のスライドデザインが上手だとは言えないですが、コントラスト、グルーピング、イラストレーションなどを使うのが伝わるプレゼンになります。コントラストには伝えたいことだけを目立たせるのがポイントです。聴講者がパッと見てわかるようにサイズを大きくしたり、色を変えたり、フォントを変えたりする方法が使えます。グルーピングには配置を意識するのがポイントだと思います。区別があるものを伝えるには配置を変えたり、線で区切りをしたり、行頭記号を使ったりするのがいいかもしれません。イラストレーションと文字ではなく、写真、図解を使って説明するのが最も効果が良いです。読み手が見るだけで理解できるなら最高でしょう。
スライドデザインをよくするテクニカルはいっぱいありますが、自分の研究プレゼンに合うものを意識しながら、スライドデザインに時間をかけて作るのも大事なポイントかなと思っています。社会人になっても、研究者になってもプレゼン能力は欠かせないものになるから、今のところ精一杯勉強してプレゼン達人を目指して練習していきたいです。 |