私が日本に留学したきっかけは、高校1年生の時、中青少年交流団の一員として日本に来た時に、日本人の親切さと仕事への強い責任感に感心したためです。また、同時に、主流メディアからの情報でも、日本人と中国人はそれぞれお互いを誤解しているということに気づきました。その時から、日本へ留学し、自分の目でこの国の本当の姿を確かめたい気持ちがありました。もう一つの理由として、慣れていない土地で、自分の可能性を広げたかったためです。生まれ育った環境から離れ、様々な価値観を持つ人と関わることを通じて、視野を広げたいと考えました。
そのために、実際に日本にきてから、私は異なるバックグランドの人と積極的に関わることに力を入れました。例えば、日本社会と文化への理解を深めるために、小学生の国際理解を促すボランティア活動を経験したり、華道と茶道を学んだりしました。
その中に、特に印象的だったことは2つありました。
一つ目は、自然に対する「尊敬」と「感謝」の気持ちに感心したことです。中国では、「人定勝天」の考え方が主流であり、支配者の立場から自然を使い尽くそうとしているので、中国ではたくさんの環境問題が発生し、資源の枯渇化が増々深刻になっています。一方、日本では、「自然を支配する」のではなく、「自然と共に生きる」といつも考えられています。持続可能な社会を支えているために、日本では、省エネルギーについての研究が盛んです。例えば、多くの建物が省エネルギー技術を取り込んでいます。大学の授業時に見学に行った「コイズミ緑橋ビル」では、ブラインドを制御することにより、自然の光と風を効果的に取り入れながら直射日光を遮り、また、庇やダブルスキンのガラスカーテンウォール・トップライト部の開閉により内部空間の温度を調整します。そして、建物の内部だけではなく、テラスなどで植栽を大量に導入し、周辺の住宅に配慮した外観とともに自然のリズムを表現し、周囲の環境に潤いを与えます。このように、自然環境と調和しながら、生産性の向上(省エネなどの具体例を証明して)を達成しています。
二つ目は、時間を大切にする日本人の生活スタイルです。中国にいた時、生活のペースが緩いため、時間管理の概念があまりありませんでした。最初は時間に厳しい日本に慣れず、よく締め切りに追われて苦労していましたが、日本人の友達に相談したら、「毎朝起きたら、一日のスケジュールと目標を立てて、それに沿って行動すれば?」とアドバイスをくれました。そのアドバイスは私にとって非常にありがたいものでした。今は、そのアドバイスに従って、毎週の目標から毎日のタスクを逆算し、毎晩翌日のタスクとスケジュールを決める習慣を身につけました。時間を大事にする日本人に学ぶことを通じて、時間の余裕ができ、より多くのことが達成できるようになりました。これは、時間に追われている現代の人々に共通する有効なアドバイスだと考えました。
日本にきて最初は、視野を広げたいという漠然とした目標でしたが、5 年間の生活を通じて、日本への理解を深めた上に、異なる文化に対する理解力、違う価値観を持つ人との人間関係構築力も身につけました。グローバル化が進んでいる時代において、語学力より、異なるニーズに対応し、違う意見をまとめる力がより大事だと思うため、これは、私が日本での留学経験を通じて、得られた一生の宝物だと考えています。
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