私が日本に留学したのは、日本の素晴らしさを学びたいと思ったからです。私は南インドのケララ州の出身です。日本とインドには、歴史を通じて深いつながりが存在します。日本の仏教は、元々インドから中国を介して伝わっており、その後、長い時間にわたって日本とインドは文化的交流関係を維持してきました。この足跡は京都や奈良などの歴史的な場所のお寺や彫刻物に沢山残っています。三十三間堂や清水寺や東大寺などにはインドの仏教と日本との繋がりの証を見ることが出来ます。仏教と神道の教えは人間を愛することと、尊敬することと、助け合うことです。日本の文化は他の国々からも沢山影響を受けています。古くは中国を中心とした近隣諸国、近代以降は欧米文化から吸収・取捨選択を繰り返し、様々な手が加えられて独特な展開を遂げています。
伝統的な(= 近代化前の)日本文化については、特に仏教や儒教の影響無くしては語れません。明治時代以降はヨーロッパの影響を受け、現代では、アメリカ文化の影響を強く受けています。日本文化といっても、決して固定したものでなく、時代とともに変化してきたものです。また、表面的に大きく変化していても、その中に一貫する日本的要素を指摘できる部分もあります。例えば住居が和風の座敷から洋間に変わっても、室内には靴を脱いで上がる点などは変わっていません。日本人の心もそうです。いくら発展し変わったといってもやっぱり日本人は大切なものを無くさないように心掛けています。過去を大切にして、自然を愛し、保護して、相手に対して思いやりの心を持って、世界中の国の中でこの小さい島国日本を輝かせています。
私の将来の目標は専業投資家になって母国の発展に貢献することです。インドはまだまだ貧困層の割合が高いです。2割ぐらいです。起業が発展のエンジンだと思います。資金を上手にマネージし、収益をだすことで雇用機会を増やすことができ、一般の国民の生活を豊かにすることが出来ると思います。その目標を達成する為には大学院を卒業し、金融業界の一流企業に入社することがとても大事だと思っています。今、立命館アジア太平洋大学の大学院では会計やファイナンスなどの科目を深く理解することに力を入れています。金融とテクノロジーを掛け合わせた「フィンテック」にも非常に興味があり研究もしています。フィンテックの中のブロックチェーンという技術について今研究を進めています。ブロックチェーンは、最近話題になっている仮想通貨など、フィンテックを語る上で欠かせない技術です。政府や銀行などが介入せず、取引に関するデータが分散し、すべての人がデータを確認できることから改ざんが起こりにくいというメリットがあります。また、プライベート型のブロックチェーンは、そういったメリットをいかしつつ特定の管理者を置けることから企業での決済サービス運用などでの活用が期待されています。ブロックチェーンの活用は、金融サービスに大きなメリットをもたらすと私は思っています。ブロックチェーンを活用し、クラウドファンディングなどの資金調達方法でインドの若い起案者や起業家をサポートし、国の発展に貢献したいです。
今年の9月から就活を始めます。証券会社または銀行に就職したいです。8月と9月は夏休みです。夏休み中は就職活動に向けての勉強や準備をする予定です。日本は、金融に関する制度や規制がきっちり整備されています。その点ではインドは日本に学ぶべきことが多いので、会社に入ったらしっかりと知識を身に付けたいと思います。一方で、インドの良い部分も日本にもたらし、両国の発展に貢献できればと思っています。夏休みは多くの企業の採用選考で利用されている適性検査「SPI」の練習問題を解いたり、日本語をもっと勉強したりしたいと思っています。また、大学院を修了する為に研究レポートを提出しなければなりません。夏休み中は「ブロックチェーン」技術に関する本を読んで、データを収集した後、修士論文を書き始めたいです。
私の大学は世界中からの優秀な学生や教授が集まる場所なので、こうした学習の他にも多様な人とアイディアに触れ合いグローバルな世界で活用できる「コミュニケーション能力」と「判断能力」を身につけることができます。私は、元々異文化交流に興味があります。自分の知らない文化について学ぶのが好きです。アジア太平洋大学の日本人や外国人の学生と友達になり大学で開催される色々なカルチャーウィークに積極的に参加しています。カルチャーウィークというのはアジア太平洋大学の留学生が自分たちの国の文化を紹介するイベントです。カルチャーウィークで自分の国の文化だけではなく他の国の歴史や文化を味わい様々な異文化交流ができます。
今は大分県や福岡県で、中学生や高校生や一般市民の方と英語や日本語で交流するようにしています。高校生や中学生に英語を教えたりする時に生徒達が安心して外国人と関わったり、留学に行ったりする為のコツも教えています。学生が自信をもって英語が話せるようにアドバイスやモチベーションを与えることができていると思います。この様な異文化交流の掛け替えのない経験は将来インドで日本のことを伝える為に役立ち、日本でインドに対しての理解を深める為に生かせると思います。
|