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コロナ禍で感じたこと
台湾出身/ 2019年4月来日
東京工業大学大学院 物質理工学院 修士2年在学中
趣味:ドラマ、映画鑑賞
将来の夢:セラミックス研究者
研究テーマ:炭化ケイ素セラミックスの微構造及び特性に及ぼすアルミニウム、ホウ素の添加効果に関する研究
 
 

今年世界中で猛威を振るう新型コロナウイルスは、今まで私たちが慣れていた生活様式を変えていった。大学の授業は全部オンラインになり、キャンパスライフがない大学生活は続いている。自粛期間は終わったとしても、まだ気軽に出かけられないと感じている。イベントの中止が相次いでいる中、夏なりの楽しみもわずかである。留学生にとって、家族や友達と連絡をとるために、ビデオ通話は慣れているが、帰省できないことはやはり寂しいと思う。このような生活はいつまで続くという疑問を持っているが、元の生活が戻らないかもしれないと考え、これからの新生活様式が新日常になることは不可能ではないと感じている。

このコロナ禍でもっとも感じたことはやはり人と人との繋がりが重要である。自粛期間中、人は一人で生きるのができないことを改めて感じた。誰とも会っていない時期はかなり長かった私は、特に寂しい気持ちがなかったが、心の中でやはり人と繋がりたいと感じていた。通信技術が発達している現代社会では、インターネットやビデオ通話などのサービスを利用し、実際に人と会わなくても繋がることができる。しかし、デバイスを通して人と会うのは、本物の人と会うこととはやはり違うと考えている。うまくこの差を説明するのは自信がないが、自粛期間が開け、実際に人と会ったら、その感覚はZoom やビデオ通話で人と話した時と違うと思っている。喜びおよび悲しみを共有するのは、実際に面と向かって話す時が一番共感できると考えている。なので、元々人と繋がらなくても生活の支障にならないし、一人でも生きていけると思った私は、この自粛期間中は、人との繋がりは不可欠だと改めて感じた。

もうひとつ感じたことは、様々なことはオンライン化になったことである。学生として一番身近なことは授業である。オンライン授業になっても全てデメリットではないと考えており、キャンパスに通う必要もないし、このままでオンライン授業を続けて行っても良いじゃないかという声もあると思う。もちろん対面しか行えない授業もあり、他の対面が必要ない授業はオンラインになっても支障にならない。しかし、大学生に対してキャンパスライフおよびサークルは大学生活の中でかなり大切な部分なので、オンライン授業の割合が大きすぎるとキャンパスに通う必要性がなくなり、人間関係に及ぼす影響も出てくると考えている。大学以外でも、社会的に色々なことはオンライン化になった。会社の出勤は在宅勤務になり、ミーティングはオンラインになり、出張も行かなくても大丈夫になった。このままだと、対面のワーキングスタイルの必要性が疑われ、どんどんオンライン化になってもおかしくないだろう。支障にならなければ、オンライン化になってもいいことと考えている。オンライン化は新日常になり、新しいビジネスが生まれる。

コロナ禍の中で、不幸なニュースが溢れてる現在、前向きな気持ちになるのは難しいかもしれないが、世の中で起きていることを感じて考えると全てが悪いことではないと思った。出校や出勤はできないが、オンライン化の便利な点に気が付いて、新しいものが生まれる。いい面を考えないと、不幸なニュースは波のように次々来て、溺れるかもしれない。そうすると、私たちはどう生きていくべきなのか、想像できない。コロナ禍で生き抜ける策は、悪いことだけではなく、いいことも認識して前向きな気持ちになろうとすることと感じている。

 
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