3年前、関西国際空港に着いた時、憧れの留学生活がもうすぐ始まるというわくわくする気持ちは今でもはっきり覚えています。今まで関わることのなかった文化や習慣に触れたい、科学・技術が進んでいる日本の教育を受けたい、留学をきっかけで自分を見つめなおし国際感覚や異文化理解を身につけたいといった色々な気持ちで日本での留学を開始しました。留学に至るまでの経緯が高校の時から始まり、日本とのご縁が、偶然であるが私の人生に対して非常に有意義で貴重なマイルストーンだと言うことができます。
高校生の時、私と日本とのご縁が始まりました。国語・文章の授業で、僅かな言葉の中に筆者の胸中を表す風景が簡潔に描かれる俳句について紹介され、音声で俳句を聞くと、歌のような日本語が好きになりました。日本がどのような国かという質問が頭の中で浮かんでおり、着物や忍者、俳句、小説、幕府制度など日本文化や歴史に関する本を集めて読んでみました。着物の清楚可憐な美しさや朝焼けの中での桜に惹かれ、日本という国にだんだん好感を持つようになりました。それは、高校で英語を専攻した私がベトナム貿易大学日本語学部を志望した大きな理由です。日本語を通して日本の文化や伝統的習慣、日本人の考え方を理解するだけでなく、英語以外もう一つの言語が使えると、グロバールシティズンとして国際舞台で活躍する夢に一歩近づくことができると信じました。
ベトナム貿易大学では、日本語や日本の文化、歴史をはじめ、日本語と英語で経済学の基本的な知識を学びました。経済学、特に国際経済学に深い興味を持ち、その分野に関する資料は英語だけでなく日本語でも検索し、日本の経済学専門者の意見や研究に接近することができました。日本語を学んで本当に良かったと思いました。言語はその国の人と交流したり、文化を学んだりするのを助けるものだけでなく、その言語を通じてある分野の新しい知識やその分野に対するより多くの人々の意見を受け入れることができる、と意識しました。
日本語、日本文化について学べば学ぶほど日本という国への好感が高くなりました。大学を卒業した後、大好きな国である日本で深く関心を持っている経済学を専攻して大学院に進学すると当時決意しました。
しかし、思ったより日本への留学機会が早く来ました。神戸大学経済学部と貿易大学との学部3年次編入プログラムの情報について教えられ、色々調べて検討した後、神戸大学経済学部の編入学試験を受験しました。桜が満開の2017年3月末、来日して留学生活を始めました。
神戸大学経済学部では、国際経済学のゼミに属し、「人民元国際化の課題と展望」のテーマで卒業論文を作成しました。卒業論文を準備する時に、国際問題と各国市場の一つ一つの要素との相互依存関係を意識し、単一市場の金利・為替レート・株価などの要素の時系列分析に深い関心を持ち、更に深く研究しようと考えました。しかし、残念ながら当時の指導教授がまもなく定年退職の予定ですので、他の地方の大学院を体験できれば、学術だけでなく、日本の地域により異なる文化や生活習慣も体験できるのではないかと考えました。その時、横浜国立大学経済学部の永井圭二教授の共同論文「Nonparametric Estimation Methods of Integrated Multivariate Volatilities」を拝読する機会があり、もし時系列分析や統計学に関する知識がまだ浅い私が経済統計学のエキスパートである永井教授に指導していただければと考えて、横浜国立大学大学院の入学試験を受け、2019年4月に国際社会科学府経済学専攻博士課程前期に入学しました。
日本に留学する機会があり、心より非常に良かったと思っております。日本への留学の目標は、経済学に関する学術的な勉強・研究はもちろん、国際的な文化の違いや自分の経験の中でいただいた意見を他の人々と交換することで、日本や世界について学ぶことができ、自分を見つめなおし、留学で積んでいる知識を発揮し活躍するグロバールシティズンになることです。
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