私は留学で来日し、もうすぐ5年目を迎えようとしている現在、昔のことを思いだすと嬉しい気持ちや懐かしい思い出がいっぱいだ。日本で充実した生活を送ってきたと自分に言えるだろう。それは日本文化や習慣を少しずつ理解し、またいろいろな人と知識との出会いによって可能であった。
ただし、来日したばかりの頃は全てが大変だった。私は日本の文化や習慣を自分自身で実感することにより、段々理解するようになってきた。そして、留学生活で得られた大事なことは日本人との出会いである。来日前は日本人に対しての印象は仕事に真面目とか、努力家とかだった。お互いに話して、たまに意味の間違いをしたり、間違いをされたりして誤解を招いたこともあった。その後、結局は平気に人と付き合うようになった。
最後は最も重要なことは知識の世界を広げたことである。日本というイメージは、高度な医療技術を持つ大国だと再認識した。日本で最先端の医療科学を学びたいという願いが留学の目的だった。2018年に広島大学大学院に入り、大学で学んだ知識及び見学で得られた知見などから、日本は医学的技術の開発もかなり力を注いでいることがわかった。このことにより私は博士課程での研究内容を決めるとき、消化管癌に関する研究を行うことにした。
最近、消化管癌、特に胃癌の発病率が上昇することは注目されつつある。胃がんは長期間にわたる胃の中の環境悪化や、過度な刺激によって発症する。リスク因子には、ピロリ菌感染や塩分の多い食品の過剰摂取、野菜・果物不足、過度な飲酒習慣、大量の喫煙、食事の乱れ、ストレス、過労などがある。中でも最も強いリスク因子として挙げられるのがピロリ菌だ。ピロリ菌は胃の中で生きることができるらせん形状の悪玉菌で、食べ物や水を介して感染する。除菌しなければ胃の中で生き続けることができる。ほとんどが乳児期に感染し、衛生環境の悪かった50代以上が保菌していることが多い。このピロリ菌に感染すると慢性的に胃の粘膜が荒れた状態が続き、それが胃壁を形成する細胞のがん化を促し、がんを発症すると考えられている。
上記は、私の研究課題である。今後は学校で学んだ知識や経験を職場で活かし、社会貢献したいと私は考えている。
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