初めて刀を持った時、最初に感じたのは、その歴史的な重さと、それに触れる事のできるという事実を光栄に思う気持ちでした。
大学に入る前に日本語に触れたことはありませんでしたが、中学生の頃から日本文化への興味はありました。その興味は、日本刀の歴史と製作という文化の一面から始まりました。日本刀は単なる武器ではなく、侍の精神を象徴し、侍の魂であり、時代を超えて歴史を語る文化財であり、伝統を継承する美術品であると考えています。私は、現代では美術品や文化財として飾られるこれらが、武器として様々な歴史的な場面に立ち会った時代に魅了されました。日本刀製作の哲学、文化、芸術性、そしてその重要性は私を深く惹きつけました。
この情熱に駆られて、日本の大学を志したときは、刀は貴重ゆえに展示される場所も時期も限られるため、刀剣展示のある歴史的な場所を訪れたいと思い続けていました。幸運にも、私は備前の備前長船刀剣製作で有名な岡山大学に通うことができました。備前長船は平安時代に遡る日本最古で最も有名な刀剣製作の学校の一つです。備前で刀剣製作を目の当たりにした経験は、私にとって非常に魅力的であり、更に日本刀に惹きつけられました。伝統的な技術が世代を超えて受け継がれ、刀匠たちがその技を磨き続ける様子は、まるで魔法のように思えました。
これをきっかけに、他の歴史的な地にも積極的に訪れてみたいと考えるようになりました。日本にはその長い歴史を体感する事のできる地は多くありますが、その中でも一番著名と言える、京都に興味を持ちました。
そして遂に今年、私はやっと京都の本能寺を訪れる機会に恵まれました。歴史の転換点となったこの場所は、荘厳で静かであり、落ち着いてじっくりと見学することができました。
本能寺での忘れられない体験の一つは、「名刀展」と題された刀剣展覧会でした。この展覧会には、仏教の刀剣製作学校である一蓮からの作品が展示されていました。一蓮の刀は、その精神的な重要性と仏教との関わりで知られています。学校では、刀剣製作の過程に宗教儀式や祈りを取り入れており、刀に精神的な力を宿します。これらの刀に見られる精神性と職人技の融合は、日本文化における宗教と芸術の深い結びつきを示しているという事を学ぶことができました。
この訪問は私に喜びを与え、日本が歴史や過去を保存する伝統に感謝と感銘を受けました。日本の歴史的な遺物や伝統が細心の注意を払って保存されていることは、過去への深い敬意を示しています。日本全国の博物館、歴史的な場所、文化施設が、国の遺産を保存し、展示するために懸命に取り組んでいます。この保存活動を直接体験することで、日本の文化や歴史との深い結びつきを感じました。文化遺産の保存に対する日本人の献身は、ルーツを理解し価値を見出すことの重要性を強調しています。歴史を保存することは、単に遺物を維持するだけでなく、物語や伝統を次世代に伝えることでもあると再認識させられました。
私は、日本での学問の旅を続ける中で、自分の文化に対してもこのような態度を取り入れたいと考えています。日本人の文化保存に対する献身を見習うことで、歴史的な記録や遺産を維持し、未来に伝える事ができます。歴史に対するこの尊敬を学問の追求に取り入れることで、文化的アイデンティティへの理解と、それを尊重する気持ちがより深まると思います。日本の社会や人々や文化がどのように伝統を保存し次の世代に繋げているかを学ぶことで、文化保存の重要性を世界に伝えるための役割を果たすことができると強く感じました。

歴史の転換点となった本能寺の静謐な風景
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