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奨学生エッセイ
2024年度
 
奨学生エッセイ
 
 
 
近況報告 -2024-
中国出身/2006年2月来日
東北大学 理学研究科 物理学専攻博士修了
趣味:カラオケ、漫画、Youtubeなど
将来の夢 :ノーベル物理学賞
現在の職業:素粒子理論・宇宙論、准教授
 
 

お久しぶりです。2008-2010年のOBの殷 文(いん ぶん)です。さて、おかげさまで、私は2021-2024年に東北大で助教をつとめ、2024年4月から現在まで東京都立大で准教授として素粒子理論研究室を率いております。私と私の研究室の最終目的は、「ノーベル賞級の発見」です!これをここで書くことに重要な意義がありますので、早急に書いときました笑。

現在の私が存在するのは、財団のおかげだと思っています。それはもちろん奨学金により勉強に専念できたというのもありますが、それ以外にも重要な出来事がありました。私は2012年あたり「ノーベル賞を取りたい」という高校からの夢を忘れており、研究の道を諦めようと思っていました。そんな中、2012年に奨学生OBとして懇親会に誘われたので、気分転換に参加したのです。そこで、奨学生の時から話かけてもらっていた当時の理事長の方に、もう研究をやめたいとお伝えしたのです。「最近はどういう研究をしているんだ?」と聞かれ答えたのですが、「難しいことしてるなぁ」と。「当分役には立たなさそうだな。はっはっはっ」と。「でも誰かがその研究を必死にやらないといかんから、もう少し続けたらどうだ」と背中を押されました。「しかし、それで食っていけるかわからんからな。もし食っていけなくなったら、私に電話しなさい」といって、西日本高速道路社長と書かれた名刺をいただきました。このことは、私の迷いを吹き飛ばすのに充分な出来事の一つで、かっこいい姿は今でも脳裏に蘇ります。

それから2015年に博士を取るまで、結局一本も論文を書けず、最初の博士研究員で雇ってもらうのに、かなり苦労をしました。それでも、自分を信じつづけること、楽しく生きること、多くの人と関わること、自由だと思うこと、などのいくつかの人生哲学を身に付け、そのもとで、自分の研究(およびその研究で培った知識による教育)で食っていけるようになりました。いわゆるその道のプロです笑。という報告でした!

今後目指すのは、もちろん「ノーベル賞」で、自由に果敢に挑戦していこうと思っています。最近は、少しばかり責任も芽生え、研究・教育以外にも、若手研究者の雇用問題をなんとかできないのかなぁと考えています。これをなんとかすれば、博士も増えるので、波及効果として、今後、世界全体の科学力も上昇するのではと思います。なので、研究者雇用の新しい形を創出し、ノーベル賞への「投資」もできたらと思っています(素人考えですので、どの程度ビジネスになるかわかりませんが、ご興味がある方は、ぜひ私にご連絡を笑!)。

今過去未来について書いてみましたが、若い留学生たちがこのエッセイを見ていると思いますので、「過去の自分」にメッセージも書いておきます。他国で暮らすって、スーパーマイノリティになるということなので、かなり大変だと思います。それは、一方で、ほとんどの人ができない貴重な体験をしていることを意味しています。なので、物は使いようで、超絶チャンスにも化けます。よく他人・自分・現象を観察・考察し、自分にしかできない経験をし、友達をたくさん作り、失敗をたくさんして、その上で留学生活を存分にポジティブに楽しめたら、それは最強の武器を得たことになります。なので、「今」から得られることをなるだけ吸収して、頑張ってみてください。奨学生のみなさまの輝かしい将来
を願っています!(偉そうでごめんなさい。)

では、最後に、私は、当分日本にいますので、財団の方、またどうぞよろしくお願いします!

 
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