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「自分の来日留学経験」 ボク コウウ
中国出身。1996年来日。九州英数学館を経て九州大学工学部物質科学工学科、九州大学工学部材料物性工学専攻、同大学化学システム工学専攻に転専攻、現在、同大学博士課程3年に在学中。
研究テーマはドラッグデリバリーシステム(DDS)。
趣味は卓球。特技は明るい性格と前向きな考え方と忍耐力。
 
 

私が中国の大学への進学チャンスを辞め、日本へ留学することを決意したのは10年前のことでした。当初、研究職を志望した動機は、日本の先進的な技術を学び、将来、帰国して日本で学んだ技術を活かして中国の現代化に貢献したいと考えたからです。また、日本への留学で、自分の力を試したいとも思いました。将来、日中両国の文化を理解したうえで、両国の科学技術の交流を深める架橋の役割を担える研究者になりたいと考えています。

来日したときには、「日本語を話せない・聞き取れない」状況から日本語の勉強を始めました。いち早く物価の高い日本に自力で生活しなければなりません。しかし、日本語を話せないとアルバイトを探すのが困難で、友達の紹介で日本語をほとんど使わない料理店の皿洗いの仕事を始めました。毎日の帰り道に、「今のアルバイトを通しては日本語を上達できない。日本語を上達しないと日本の大学に進学できない。どうやって日本語を上達すればよいのか?」といつも考えました。日本語の勉強において最大の難関は会話であり、特に日本語にはあいまいな表現が非常に多いため、場合によって適切な日本語表現は頭の中から浮かんできません。当時、予め考えたことをなんでも日本語で言い聞かせて日本語を覚え、又、昼食の時間を利用して当時の先生のところに行って、積極的に会話練習を行いました。幸いなことに、日本語の先生はいつも丁寧な日本語で会話練習に応じてくれました。半年が経過した頃、自分の言いたいことを言えるようになり、日本語の成績は日本語学校のトップクラスに達しました。

大学に入って日本語学校で習った日本語だけでは、日本人学生に向けた講義の内容にまったく対応できませんでした。日本人同士の喋るスピードは速すぎるからです。また、留学生活費を賄うためにアルバイトをしなければならなかったため、勉強時間は足りなくて、授業についていけないことを痛感しました。アルバイト先で日本語の聞き取りの向上を必死に図りました。入学して半年後クラスメートと難なく会話を交わすことができるようになり、授業中の先生の講義内容も聞き取れるようになりました。

これまでに積んできた日本語の勉強経験を活かして、まったく知らない分野へ挑戦する自信をもつようになりました。一年前から現在の研究室に転専攻して、薬物伝達システムを勉強しはじめました。研究内容は大変興味深く、日本の優れた薬の製剤技術及び研究の発想を勉強しています。将来、学業を終えて帰国したら、日本で学んだ技術を生かして、中国の漢方薬の製剤化に対して自分の力を発揮したいと考えています。そして、これまでとはまったく違う発想から、新たな漢方薬の「創剤」の開発に結び付けることを期待しています。

 
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