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就職活動から知る強弱
米国出身/ 2013年8月来日
早稲田大学大学院 国際コミュニケーション研究科 修士課程2年在学中
趣味:テレビ鑑賞、読書
将来の夢:テレビ番組を監督する
研究テーマ:日本のドラマの中に働く女性の表現
 
 

今年の9月に大学院から卒業しますので、卒業に向けて就職活動に挑戦しました。アメリカで仕事を探す時にはいつでも会社に申し込んで、面接を1、2回ぐらい受けます。その面接は会社側と自分のスケジュールを合わせて、両方の都合が良い時に行います。でも日本の就職活動は違います。まず、会社によってきちんと活動を行う時期があります。その時期に参加出来ないならその会社には入れません。私はいつ内定をもらうか分かりませんでしたから、夏の予定が全然作れませんでした。

周りの人から「グローバル系な会社に入りたい?」という質問をよく聞かれました。グローバル系な会社に入りたかったなら就職活動をしなくてもよかったですし、アメリカみたいな面接を受けることだけで済ませられるかもしれません。でもグローバル系より日本のテレビ業界に入りたかったのです。日本だけの業界ですから日本の特殊な就職活動に参加するしかありませんでした。

最初はいい感じだと思いました。外国人なのに筆記試験はそんなに難しくなくて、会社の皆さんは温かく歓迎してくれました。5月と6月は筆記試験と面接でいっぱいになりましたが、2、3次で不合格のお知らせが段々来てしまいました。この業界に入るのは私の夢ですから、仕事が決まっていないまま毎日朝から晩まで不安でした。

でもこの道を歩いていった間に色々な人と触れ合うことができました。その中で一番偉大な人は私が出演するようになった番組のディレクターさんです。そのディレクターさんは私の話をまじめに聞いてくれて、自分の会社の人事部員に私のことを話してくれました。その会社はなんと就職活動をやっていませんでしたが、私が応募した時にもらった返事は、「お待ちしておりました」でした。それから一回面接に行って、会社の社長から「君のプロフィールが全部分かっているからここで働きたいならいいよ」と言われました。嬉しすぎて泣きそうになりました。それで仕事が決まって、10月から日本で社会人として生活を始めることになりました。

他の会社から採用はされていないけれど、その会社からいい経験をもらいました。例えばある会社の3次面接には、「自分の好きなものを持ってきて説明しなさい」という指示がありました。私は好きなアーティストのコンサートグッズを持っていきましたが、他の人は子供の頃愛用していた毛布や運動グッズを持ってきました。それで私の説明はウチワの便利さとアーティストの凄さになりましたが、毛布の人は「自分のストーリーはこの毛布から始まったよ」という話をし、運動グッズの人はグッズの売り上げについて話しました。同じ指示を受けたのに色んな形の解釈がありました。

日本の就職活動には何よりも自分を知ることが大事です。アメリカの会社は何年後に別の会社に移動するのは当たり前ですけど、日本の会社はほとんど終身雇用です。引退するまで同じ会社で働くため、自分がやりたいことや自分が出来ることを知り尽くすのは本当に大事です。自分のことをちゃんと知っているなら自分に合う会社を見つけることができます。

会社からの不合格のお知らせはもちろん悲しいことです。「不合格」になれば「自分の何が悪い?」という思いが溜まっていきます。でもちゃんと自己分析が出来たら、自分のいいところもちゃんと分かっていくからその不安に勝てます。絶対に勝ちます。それを日本の就職活動で学ぶことが出来ました。

 
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