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奨学生エッセイ
 
 
 
日本での留学生活を通じて考えたこと
中国出身/ 2012年10月来日
京都大学 工学部 4年在学中
趣味:温泉とグルメ巡り
将来の夢:プラント設計のエンジニアとして、環境問題とエネルギー問題の解決に貢献したいです
 
 

高校1年生の時、中青少年交流団の一員として日本に来た時に感じたことだ。当時、日本人の親切さと仕事への強い責任感に感心したが、同時に、主流メディアからの情報でも、日本人と中国人はそれぞれお互いを誤解しているということに気づいた。その時から、日本へ留学し、真面目で親切な日本人と一緒に勉強しながら、自分を成長させたいと決めた。また、留学経験を活かし、お互いの理解を深め,日中友好の架け橋となりたいと思った。

実際に大学に入り、日本人と交流している間に、特に二つのことに感心した。まずは時間を大切にする日本人の生活スタイルだ。中国にいた時、生活スペースが緩いため、時間管理の概念があまりなかった。最初は時間に厳しい日本に慣れず、よく締め切りに追われて苦労していた。日本人の友達に相談したら、「毎朝起きたら、一日のスケジュールと目標を立てて、それに沿って行動すれば?」とアドバイスをくれたが、そのアドバイスは私にとって非常にありがたいものだった。その後、時間の余裕ができたおかげで、より多くのことが学べ、人生が変わったように感じた。その後も、よく友達と相談し、一緒に時間管理の改善法を探り続けた。時間を大事にする日本人に学び、時間管理のコツをより多くの国々の人に伝えて、より多くの人を助けたい。

また、日本人はあらゆるものに関して「尊敬」と「感謝」を持ち、「もったいない」という想いから、モノを大切に扱う習慣がある。逆に、中国では「人定勝天」の考えが主流であり、自然の所有者の立場から「自然を利用し尽くそう」としている。資源の枯渇化と環境問題がますます深刻化している今の時代に、「自然を支配する」のではなく、「自然と共生する」と言う日本式な考え方こそ、持続可能な社会の支えになる。

学校内に限らず、学校外でも日本人と一緒に短期留学プログラムや実地のセミナーに参加した中で新たに学ぶことも多かった。なじみのない環境下ではしばしばハプニングもあったが、そうした状況を一緒に乗りこえる中で信頼関係を築き上げることができた。イベントが終わった今でも日中関係や両国の文化について話し合い、互いの生の意見を交換しながら、価値観を受け入れ、互いの理解を深めることができている。また、日本で国際交流のチャンスに恵まれたものとして、それで得た経験を活かし、日本人と外国人の交流の促進にも貢献したいと思っている。実際に、私は留学生委員会の一員として、国際交流のイベントを企画していた。活動の一例として、新学期の始まりに、Welcome partyを開催し、たくさんの留学生と日本人学生を誘い、ゲームや食事をしながら、誰とでも気軽に交流できる場を作った。今でも私はパーティーで知り合った友達とよく連絡を取り、情報をシェアしたり、お互いに語学の勉強を励ましたりしている。

一方で未だに、歴史や政治的な原因で日本人と中国人がお互いの国にマイナスのイメージを持つ人は少なくない。私の考えでは国に対するイメージは結局その国の人に対するイメージなので、国の関係も国民の関係から改善すべきだと思う。国家間の信頼感は、まず人と人の相互理解から築くと思う。留学に来たころの目標を改めて振り返ると、まだ「任重くして道遠し」だが、難しいからこそ、初心を忘れずに地道な努力を重ね、日中関係の改善に貢献しようと強く思う。これを第一歩として、日中友好の他、日本人と外国人と交流を促進し、言葉と文化の壁を超え、世界中の人々のつながりを深めたいと思う。

 
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