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日本人の内と外
中国出身/2015年4月来日
熊本大学 理学部3年在学中
趣味:スポーツ、歌を歌うこと
将来の夢:今地学の勉強をしています。将来はそれに関係する研究をやりたいです。
 
 

日本は集団が集団に対して、思いやりを持っている一方、個人が個人に対して、距離を持っていると、今まで日本での生活の中で感じました。この第三者の立場から、他人に思いやりをもつことと一人が一人に対して、距離を置くことは今の生産力の強い日本を築いたと思います。

自分が日本に来たきっかけとなったのは東野圭吾の小説をもとに実写化されたドラマ『秘密』を見たことです。この小説の中で描かれた日本人の心の豊かさと複雑さに惹かれ、中国で感じることのできない生活様式を教えてくれました。そのため、2015年4月に日本に来ました。最初はすべて新鮮で、自分が憧れた日本でしたが、大学に入り、日本人と一緒に授業を受けて、一緒に部活をやって、バイトもしつつ、徐々に日本人同士の付き合い方や生活スタイルに対し、新たな考え方を持つようになりました。自分の周りにずっと一人ぼっちになっている人もいて、いつも同じ友たちと一緒にいる人もいます。今まで日本人との付き合いの中で、大部分の日本人で個人は自分の内に所属する少数の大切な人を守り切る一方、自分の外に所属する人に対し、そのような人とは深く付き合おうとしないと感じました。日本人は一生をかけて、少人数で集まる集団は自分の集団のために一生懸命に頑張っていて、そのため、ある集団に所属している個人が異なる集団に所属している他人に対して付き合う余裕と意欲がなくなります。ここで述べている集団は一つの部活でもあり、一つの家族でもあり、一つの会社でもあります。この内と外を日本人の心の中に明確に分けることこそ、個々の生産力の高い集団をつくり、さらにこのような個々の集団で構成されている日本は生産力の高い国になっています。

これからもよろしくお願いしますというよく聞こえる言葉も日本人の心を教えてくれるヒントになると思います。自分がコンビニでバイトをしていて、何人かの常連客が店に来ます。彼らが来店し、買い物をした後、店長はいつも「これからもよろしくお願いします」と言います。店長は彼らに関して、職業や名前やどこの出身など一切知りません。店長の心の中に彼らは自分の集団(コンビニ)の外にいる人々で、彼らのことについて、知ろうとはしなく、しかし円滑にこれからも商売をしていくにはこのような礼儀的な挨拶が必要だと思います。

なぜ内と外を分けることが強い日本を作ったかというと、違う集団が利益で繋がっていると同時に彼らは深い関係を持っていないため、相手に満足してもらえるものを作りあげないといけないと日本人は常に思っています。そのため、ある集団は利益を上げるよう、一生懸命自分の商品に対し、パーフェクトにしようとしています。こうする限り、相手は納得してくれます。内と外を分けることによって、それぞれ違う集団はほかの集団に対して、思いやりをもち、一生懸命相手のことを考えます。そのため、質が良く、評判がいい商品は続々出てきます。日本は内と外、この日本人の生活スタイルによって、支えられています。

 
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