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奨学生エッセイ
 
 
 
技術の発展と人々の幸せ
韓国出身/2018年3月来日
京都大学 工学部 物理工学科4年在学中 
趣味:カクテル作り
将来の夢:社長
 
 

最近、日本に来て1年後に購入した、私のメガネが壊れました。前々から数回踏んでしまった事があったので、耐久度的にちょうど、千切れてもおかしくなかったのだと思います。視力が悪い私はメガネなしでの生活は厳しいので、急いでネットで近場のメガネ屋さんを検索しました。近くのショッピングモールにメガネ屋さんがあったので、私は次の日にメガネを購入するために、メガネ屋さんのホームページで、どんなメガネがあるのか、熱心に探しました。次の日に、前日にリサーチしていた甲斐があり、メガネは直ぐに買えました。欲しい情報があればすぐに手元にあるスマートフォンで検索できる、いい時代になったものです。しかし、その日からインターネットの広告欄はメガネ関連ばかりになりました。私はメガネを既に購入したので、広告を見たくないのですが、何度も私の目に入りました。前から薄々感じていましたが、最近、私たちは無料で利用できるものが増えています。巨大IT企業のサービスは特に無料で、ほとんどの人々が利用しています。無料で便利なのでみんな、何気なく毎日利用しているのですが、私たちの行動による情報は水面下で色々な方面に使われています。時々私の知らないどこかで、私の影が一人歩きしていると考えると怖くなります。

技術の発展は常に人類をよき方向に導いてきたように思えます。例えば、インターネットの登場により、離れた場所でも家族や大切な人といつでも、連絡を取り合うことができるし、日本の場合は食べたいものがあれば24時間営業しているコンビニで大体のものは食べる事ができます。見たい映画があれば、サブスクリプションサービスで無数の中から選ぶことができ、お腹が空いたが外に出たくなければ、フードデリバリーを頼むことで楽することができます。

一方、SNSの台頭により、新種のいじめが発生して、それにより精神的な被害を受ける人が増えました。芸能界では、色々な問題が発生して、身近なところでも悲しい事件が発生しています。また、非日常の日常化により、本来の自分自身を映すのではなく、美しく包装された奇麗な部分だけを共有し、それを閲覧している人々は他の人達の虚像に知らぬ間に浸食されていきます。また、デジタルネイティブ世代ではインターネットで初めて繋がる関係も多いが、始まるのは簡単だが、終わるのも簡単な、スワッピングカルチャーの中で湾曲した人間関係を経験します。

上場して株を発行している企業である以上、利益を追求して、株主に還元するのは、使命ではあるが、中毒性や、人々の欲求を徹底的に利用して利益を生むのは、外見上人々の生活を豊かにしながら、目に見えない幸せについては考えてないのではないかと思います。経済は人々が見栄を張り、全ての人間がある欲求を持っていることにより回りますが、世界のリーダーとなったら人々を本当の幸せの方向に導く必要があると思います。幸せというのは、人それぞれですが、わざわざ大多数の人が不幸せになる方向へ誘導する必要性はないと思います。

人間は、基本的には自分の事で精一杯で他の人の事まで気にする人は少ないですが、私は他の人も考えられる人になりたいです。他人を変えることはできないし、本人が変わる事でしか前に進めませんが、その道しるべになれれば良いと思っています。社会の波に飲まれて初心を忘れないように頑張ります。

 
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