ホーム サイトマップ
ホーム 財団案内 財団ニュース 助成案内 よくあるご質問 お問合せ
助成案内
助成事業について
助成実績
助成募集要項
奨学生エッセイ
2022年度
2021年度
2020年度
2019年度
2018年度
2017年度
2016年度
2015年度
2014年度
2013年度
2012年度
2011年度
2010年度
2009年度
2008年度
2007年度
2006年度
 
奨学生エッセイ
 
 
 
翻訳をとおして伝えたいこと
イタリア出身 2019年3月来日
早稲田大学大学院 国際コミュニケーション研究科 修士2 年在学中
趣味:旅行、本を読むこと、アニメ、音楽
将来の夢:視聴覚翻訳者になりたい
研究テーマ:Linguistic Variation in the Audiovisual Translation from Japanese to Italian

はじめまして。私はイタリアのアニータです。早稲田大学大学院国際コミュニケーション研究科の2年生です。大学院では翻訳の研究をしています。翻訳に興味を持ったきっかけと現在の研究についてお話したいと思います。

私は子供の頃から海外に強い関心があり、外国語の勉強を専門とする高校に通っていました。そこで文法翻訳法を教わった影響で、翻訳学に興味を持つようになりました。その後、私はウディネ大学に進学し、母語であるイタリア語から英語やスペイン語、そしてフランス語の翻訳を学びました。イタリア語、スペイン語、フランス語はすべてラテン語を起源としています。この3つの言語の共通点や相違点を分析することで、ラテン語に関する知識を深め、論理的思考力や文章力をさらに向上させることができました。在学中、交換留学生としてウェールズのバンガー大学で文学や翻訳だけでなく、グループプロジェクトにも参加しました。ネイティブスピーカーとの共同作業は私の聴解力と会話力を向上させてくれました。バンガー大学で第二言語習得に関するコースに参加したことをきっかけに外国語教育への関心が高まった私は、大学卒業後、母国の高校の英語教師として教壇に立つことを決意しました。これは、次のステップとなる視聴覚翻訳家になるという夢を実現するための重要な経験となりました。英語教師として高校生と接するうちに、彼らの外国文化に対する高い知識が、何千ものテレビシリーズや映画、アニメーションから培われたものであることに気づきました。オーディオビジュアルは、異文化を結びつける効果的な手段です。ここから彼らは外国に興味を抱き、その国を訪れ、異なるものと見なされるものに対してよりオープンになるのです。しかし、翻訳がうまく機能しなかったために、彼らがその国について誤解している側面もあることに気づきました。そのとき、視聴覚翻訳家になるという夢が明確になりました。この夢を実現するため、私は英語教師の仕事を辞め、子どもの頃から好きだった日本で日本語を学ぶことを選びました。そして、文化媒介の研究ができる早稲田大学院に進みました。

現在、大学院では、日本語からイタリア語への視聴覚翻訳における言語的差異について研究しています。この研究で強調したいことの一つは、オーディオビジュアル翻訳における翻訳家の役割の重要性です。彼らの選択は作品の質を左右します。例えば映画の中にはその国の文化やメッセージが込められており、視聴者はそこから他国の習慣や伝統を学ぶことができます。もし不適切な翻訳がされたら、これらの側面のほとんどは理解されないか無視されてしまうでしょう。正しいメッセージを伝えるためには、翻訳家自身の社会言語学的な知識が必要不可欠です。私の研究では、日本語からイタリア語への翻訳に焦点を当て、特にアニメの字幕翻訳に注目しています。作中の言語・文化的側面が、どのように置き換えられているのか。そして視聴者にどのように伝わっているのか。様々な映画を見てデータを集めるのは大変ですが、イタリア語に翻訳できない表現を見つけたときは嬉しくなります。そして、どうやって伝えることができるか考えるのはとても楽しいです。

いつか日本とイタリアを繋ぐ翻訳家になれるよう頑張ります。

 
| 次のエッセイ
 
ページのトップへ
   
ご利用条件 個人情報保護について Copyright (c) 2003- Sojitz Foundation. All rights reserved.