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奨学生エッセイ
 
 
 
日本での私の経験
マレーシア出身/2013年3月来日
名古屋大学大学院 工学研究科 博士後期課程1年在学中
趣味:料理、旅行
将来の夢:研究者、日本語スピーカー
研究テーマ:有機合成から面白い新しい分子を作る
 
 

初めまして。マレーシア出身のシハムと申します。現在、名古屋大学で博士課程に在籍しています。マレーシアはさまざまな人種が暮らす美しい国で、イスラム教徒もたくさんいます。イスラム教はマレーシアの正式な宗教です。一方、日本にはイスラム教徒は少ないです。日本は高等教育を受けるには素晴らしい国で、まだまだ先の話ですが、日に日にムスリムフレンドリーになっています。驚くことに、私が初めて日本に来てからもう10年立ちました。昔から私の目標は留学でしたが、幸運にも日本でその目標を達成することができました。マレーシアの学生として日本で過ごした時間は、挑戦、文化的な冒険、そして個人的な成長に満ちたものでした。日本はさまざまな文化があり、宗教的に寛容であることで知られていますが、イスラム教は他の宗教ほど一般的ではありません。イスラム教以外のほとんどの国では、イスラム教はテロリストのレッテルを貼られています。イスラム教徒とイスラム教は、他の宗教に対して無礼で過激だと非難されてきました。しかし、預言者さまはイスラム教徒に対し、常に親切で同情的であるよう促しておられます。海外に行く前は、日本人が私をどのように見るか常に心配していましたが、この10年間で、多くの思い出に残る経験をしました。ムスリムの学生として日本に来ることは、実り
ある豊かな経験になると感じました。


ハラルケバブ

日本での最初の1年は、これまでに感じたことのないほど困難な1年でした。しかし、どこの国に行っても、必ず乗り越えなければならない壁があると思います。私の経験では、最も困難だったことはハラール食品を見つけることです。ハラールとは、イスラム法で許可されているもの、またはイスラム法に準拠しているものすべてを指します。ハラールの逆は「ハラーム」という概念で、アラビア語では禁じられている行為やイスラム法に反する行為を指します。「ハラル食品」とは、イスラム法に従って入手、加工、販売された食品を指します。豚やアルコールのようなハラーム成分を含まない、またはハラーム成分と接触しない食品はハラルとみなされます。「ハラール」という概念は、動物の屠殺や食品の取り扱いの手順も指します。日本はイスラム教国ではなく、イスラム教コミュニティも小さいため、特に地方ではハラルな食事を提供したり、ハラルな食材を使用したりする店は少ないです。そのため、イスラム教徒はハラル食品や食材を手に入れるのに苦労しています。食料品の買い物を例にとってみましょう。オンラインでしか買えないし、発送には2〜3日かかります。家で料理をする際も、食材が手に入るまで長い時間待たなければなりません。また、わざわざハラルフードを提供するお店に行って食事をすることもあります。一方、マレーシアでは中華レストラン以外どこのレストランへ行っても、全部の食べ物がハラルだから安心して食べることができます。

確かに、苦難があれば楽もあります。日本人はハラールやハラームという言葉に馴染みがないにもかかわらず、イスラム教の概念と実践を理解しようと努力しています。例えば、私が所属する研究室のメンバーは皆、私がムスリムだとすでに知っています。イベントやパーティに参加するときはいつも、私がムスリムであることが最優先されるように配慮してくれます。それだけでなく、研究室の時間に私が祈る
時間も認めてくれました。彼らの行動は、留学生として日本で生活する私の不安を和らげてくれました。確かに留学生として、いつも不安や問題を抱えていました。しかし、みんなの優しさのおかげで私の毎日は明るくなり、ようやく日本に馴染むことができました。日本での10年間で、私は素晴らしい経験を豊富に積んできました。他の人と比べて、多様な文化的背景を持つ人々と出会う機会や楽しい思い出が多いです。そこから、その国の文化、言語、歴史、人々について様々なことを学びました。日本で勉強し、日本の素晴らしい人たちと交流できることは、本当に幸運なことだと思います。このような機会がなければ、自分の目標を達成し、海を越えて羽ばたくことはできなかったでしょう。


研究室のメンバーたち

 
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