私は日本に来た最初の頃、言葉の障害ということで、コミュニケーションをするのに、とても不便と違和感を感じました。大学に入り、日本語が段々上達し、たくさんのお友達もできましたが、依然、私はこの社会、そして異国でのコミュニケーションに対する不安感がなかなか忘れられませんでした。
大学四年生になったとき、研究室配属で、私は自然言語処理及び同時通訳という主な研究テーマとする研究室を希望しておりました。その原因は、来日当時の私と同じような外国人、留学生のために、より便利なコミュニケーション環境創りをしたいと思ったためです。外国語に対する同時通訳ツールであり、外国語をより簡単に覚えることを支援するシステムであり、そういったような研究をしたいと思っております。
そして、希望通りに社会システム情報専攻に所属する自然言語処理の研究室に入らせて頂き、大学院の試験も無事合格しました。今、こちらの研究室でリアルタイム字幕生成システムに関する研究をしております。それは、講演や講義、ニュース番組といった独話音声を理解することを支援するシステムです。本研究は聴覚障害者、及び外国人など、独話の内容を音声情報のみから理解することが困難である人々のために、開発されております。近年、このような研究には、大変注目を集められております。例えば、日本語が堪能していない留学生がいます。彼は日本語を読むことができるが、先生の講義を完全に聞き取れません。そういう場合、もし先生が発話する同時に、隣のスクリーンで発話の内容を字幕として表示されると、彼にとって、とても助かることになります。以上はリアルタイム字幕生成システムのイメージでした。
また、字幕を読みやすくするための自動要約、言換えなどについても研究しております。卒業研究は、リアルタイム字幕生成システムにおける自動要約に関するテーマで、大量な独話データを人手で要約し、要約コーパスを構築しました。そして、そのコーパスを使って、機械にも適応できる、一番適切な自動要約手法について、分析を行いました。最近は、この研究成果を国際会議で発表するために、頑張って原稿を書いております。
今後も引き続き、リアルタイムな字幕生成システム、及び、そのための要約手法について、研究していきたいと思います
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