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地球温暖化問題とバングラデシュ
バングラデシュ出身。1996年来日。国際学友会日本語学校、国立群馬工業高等専門学校、東京大学工学部計数工学科、東京大学大学院新領域創成科学研究科複雑理工学専攻修士課程を経て、現在、同大学大学院博士課程3年在学中。研究テーマはゲノム配列より遺伝子を予測すること。
趣味はハイキング、読書。特技はパソコン、早歩き。
 
 

地球は人間をはじめとするすべての生き物のものである。しかし、私たち人間はこの事実を忘れて、地球環境を破壊し続けている。この破壊行為は他生物の生存危機を招くだけではなくて人間自身の存在も危険な状態にある。人間のこの行為は自殺行為と同等であると思う。環境破壊の影響はもう遠い未来問題ではなくて、地球温暖化問題の原因としてよく取り上げられている。しかし、地球温暖化は全ての国に同時に同じくらいの影響を及ぼさないので世界レベルでこの問題意識に相違がある。海抜以下の地域を抱えている私の祖国バングラデシュにとって、避けられない問題である。

温室効果ガスとして知られている二酸化炭素やメタンが大気中で増加すると、地球表面を暖める効果がある。これらの温室効果ガスは、太陽から流入する可視光の日射エネルギーは透過させて地表面を暖め、地表から放射される波長の長い赤外線は吸収しやすい性質を有している。そのため温室効果ガスが増加すると、地球に入る日射エネルギーと地球から出る熱放射エネルギーとのバランスが崩れ、気温が上昇し、地球温暖化が進むと考えられている。現在は大気中の温室効果ガスは増減傾向にある。人為的に排出されたこのガスの半分は大気中に残る。大気中の濃度は二酸化炭素とメタンは産業革命が始まってから大幅に増加している。特に、医療技術の進歩による人口増加、食料要求の増加、エネルギーの過剰使用、限りない生活水準の上昇などの直接や間接的な影響で地球温暖化が起きている。そのなかで一部の先進国の過剰な温室効果ガスの排出が考えられる。

私たちが地球温暖化問題を局所的に見ているからこそ、お互いに相違が起きていると思われる。21世紀に生きても私たちはまだ、個人や国や民族レベルでものを見ていることが私はとても恥だと思う。私たち皆が同じ人間であり、お互いに兄弟であり、この地球は私たち皆のものである。皆で地球の問題を解決して、平和的に暮らして、将来の世代のためにもよい環境を残していかなければならないことである。

温暖化により水蒸気が増えると地球の一部の地域で豪雨は増える。その場合、年平均降水量と比較して顕著に大きい豪雨強度の増加率をもたらす。特に、ヒマラヤ山脈は高い上に広大な地域ですから、その斜面に積もる氷や万年雪もまた膨大な量がある。ネパールからブータンまで、その南斜面が溶け出して流れる先はバングラデシュである。よって、温暖化によるバングラデシュの北方の地域が洪水の被害は年毎に増すと思う。それに、地球全体の気温が上昇し、陸上の氷床・氷河の減少や海水の膨張が起こると、海面が上昇する。気候変動に関する政府間パネルの報告書には、2100年までに30cmから1mの海面上昇が起こるだろうと計算されている。その結果、バングラデシュ南方の海抜ゼロメートル地帯のベンガル湾沿いは浸水されるでしょう。不幸なことに踏んだり蹴ったりの地理的条件にある。

バングラデシュは世界でもっとも人口密度の高い国である。1平方キロ あたりの人口は 982 人になり、人口と人口密度の両方で日本のそれを上回っている。面積は日本の1/3である。山地がないといってよいほど、殆どの領域が平らな国で、温暖化による海面上昇で移民の発生が予測されている。地面の浸水よる、農業産地の減少で食料不足や住宅問題も発生するとおもう。経済や技術的に貧弱なバングラデシュにとって、これはとても深刻な問題である。バングラデシュが直面している上記の問題は世界各国の問題として認識されてないかもしれないが、この問題の責任は人間だれにでもあると思う。

長期的な地球温暖化対策の実効性を確保するためには、米国や開発途上国を含む全ての国が排出削減を約束する共通ルールを構築することが重要である。しかし、歴史を見ると時代から時代まで富や資源を求めて続けてきた争いは、人間の本質的な性質であるかもしれない。相手を犠牲にして自分だけの利益を求める人間にとって、このような共通ルールを作り難いと思う。なぜなら、第二次大戦後の世界平和のために約束した共通ルールとそのルールの監督機関である国連は無効になったように、全ての国の間で温暖化対策に対する合意も得られないでしょう。自分の生存を訴えても海抜ゼロメートルのバングラデシュにはこの問題が解決できないことはとても残念である。

 
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